「2012年日中韓太極拳交流大会」日中韓の太極拳愛好者3000人が上海市で交流

日中国交正常化40周年・中韓国交正常化20周年記念

【掲載:2012年09月15日】

2012年日中韓太極拳交流大会が7月9日に,中国上海市「東方スポーツセンター体育館」で盛大に催された。

◎日・中・韓3カ国2度目の共同事業:


日中韓太極拳交流大会の国別24式太極拳集団演武で
演武する日本代表団。
上海市東方スポーツセンター体育館で

今回の交流大会は,2002年8月に北京市で開催された日中国交正常化30周年記念・中韓国交正常化10周年記念として挙行された日中韓太極拳交流大会に次いで,10年ぶり2度目の開催で,中国武術協会,上海市体育局・上海市武術院と大会組織委員会が主催したもの。

日本代表団は,日本連盟の村岡久平副会長・専務理事を団長,岡﨑温常務理事を副団長とした総勢268人で編成された。北海道から九州まで30都道府県連盟から太極拳愛好者と選手が参加した。7月7日に札幌,成田,名古屋,大阪関西,福岡の各空港から出発し,10日に帰国した。また,代表団の半数以上(170人)は,10日にオプショナルツアーとして,蘇州観光,上海市内観光または1日フリープランを楽しんで,11日に全員無事に帰国した。

今回の交流大会には,中国からは2800人余,韓国から22人,日本からの268人,合計3000人以上が参加して盛大に挙行された。

◎早朝の外灘公園で大型集団演武
  福島県連盟の参加者が代表演武:

7月8日午前7:30から,上海市内中心部の黄浦江のほとりの名勝地「外灘(ワイタン)」に3カ国の太極拳愛好者3000人が集合。黄浦江の川沿いで,各国が揃いのTシャツや表演服で24式太極拳の大型集団演武を行った。

日本代表団の団員は,全員が赤色のTシャツに身をつつみ,整然と集団演武を行った。

また,会場の中央部に設けられた特設舞台では,主催者あいさつの後,日本の参加者を代表して福島県武術太極拳連盟の遠藤淑子理事長ら6人が陳式太極拳の集団演武を行った。演武の途中で,福島県が東日本大震災と福島原発事故の災害のなかでも元気に太極拳活動を続け,この大会に代表団を派遣してきたことが紹介された。

◎太極拳名家講座:

9日午前は,代表団が滞在するホテルの会議室で,太極拳名家による技術講座が行われた。代表団員がそれぞれ希望する講座に分かれて,一流の講師による講座を受講した。各講座の講師と受講者数は次の通り。

-楊式・48式=門恵豊・.桂香 両講師
   (161人,日本語通訳=谷川大氏)
-陳式太極拳=陳正雷 講師
   (40人,日本語通訳=西村誠志氏)
-呉式太極拳=馬海龍 講師
   (18人,日本語通訳=石原泰彦氏)
-孫式太極拳=孫永田 講師
   (16人,日本語通訳=山本慶泰氏)

 


上海の街を望む「外灘(ワイタン)」で揃いの赤のTシャツを着用して24式太極拳集団演武を行う日本代表団

24式太極拳集団演武を行う中国代表団

◎集団演武:

9日午後は,「東方スポーツセンター体育館」において,本番の「日中韓太極拳交流競技大会」が挙行された。開会式は,3カ国の代表者として,上海市武術協会主席・上海市体育総会副主席劉建勝氏,日本連盟村岡久平副会長,韓国代表団Cho Sugill氏が開会のあいさつを述べ,中国武術協会副主席陳国栄氏が開会宣言を述べて開幕した。

交流競技大会に先立ち,3カ国代表団による24式太極拳集団演武が行われた。3カ国の最初に,日本代表団212人が集団演武を行った。全員が,前日の8日に会場で下合わせの練習を1回行っただけであったが,当日の本番は,全く乱れのない整然とした演武が行われた。続いて,韓国代表の13人の演武の後,中国代表100人による演武が行われた。中国側は身長・体格ともに選び抜かれた愛好者が,十分に繰り返し訓練を行ったことが窺える見応えのある演武であった。日本側演武は,ほとんどぶっつけ本番であったにもかかわらず公認普及指導員資格を取得する際に義務付けられている集団演武の方式に則って,立派に風格のある演武を示すことができた。

◎交流競技会:

今大会では,日本と中国の代表選手による9種目男女計18種目の個人競技が行われた。

エントリーは各種目に1カ国3人以内の規程で行われ,日本は男子7種目19人,女子7種目13人,男女計32人が出場して健闘し,別掲の成績を挙げた。

10年前に北京で行われた大会では個人競技は行われなかった。今回,個人競技が実施され,日中の太極拳愛好者の交流が行われたことで,今大会は一段と意義を高めた。

同日夜に,「上海大舞台」(旧上海体育館)において,閉幕式が華やかに行われ,今大会の多彩な活動が締めくくられた。

 


東方スポーツセンター体育館の天井には大型モニターが設置されている。交流大会開会式から

「太極拳名家講座」の「楊式・48式太極拳」講座の模様。
熱心に耳を傾ける日本代表団団員

 

 


日本の参加者を代表して外灘の
特設ステージ上で集団演武を行った
福島県武術太極拳連盟の遠藤淑子理事長ら会員6人

韓国の24式太極拳集団演武チーム

 

●写真協力:上中敏隆/福島県武術太極拳連盟