「第5回世界ジュニア武術選手権大会(トルコ)」金1,銅3と大健闘!

2014.3.11~18 トルコ・アンタリア 50カ国・地域,836人が参加

金1(薄井花音),銅3(大津朝陽:2,金澤慎治)と健闘

【掲載:2014年04月15日】

国際武術連盟(IWUF)主催の「第5回世界ジュニア武術選手権大会」が3月11日~18日にトルコ・アンタリア市で開催され,50カ国・地域から836人の選手と関係役員らが参加した。


日本代表チーム。右から谷川大監督,金澤慎治選手,大津朝陽選手,
薄井花音選手,佐藤実莉以選手,孔祥東コーチ

今大会套路競技は年齢別(A組=18~16歳,B組=15~13歳,C組=12~7歳)で実施されたが,日本からは8月に中国・南京市で開かれる国際オリンピック委員会主催の「第2回ユースオリンピック・南京2014武術トーナメント」の予選に照準を合わせて,A組の選手4人(男女各2人)を派遣した。日本代表チーム監督・コーチ合わせて6人は19日に帰国した。

今大会では女子・太極剣で薄井花音選手(栃木県連盟)が金メダルを獲得した。佐藤実莉以選手(東京都連盟)が女子剣術,槍術で入賞。男子太極拳と太極剣で大津朝陽選手(大阪府連盟)が銅メダルを,男子刀術で金澤慎治選手(兵庫県連盟)が銅メダルを獲得した。

今大会が実質の予選となったユースオリンピック武術トーナメント出場資格は種目別上位6人となっており,出場権獲得選手は後日,国際武術連盟から発表される。日本チームには竹中保仁国際審判員(兵庫県連盟)が同行した。


選手権大会会場の模様
日本代表選手の成績
大津 朝陽(男子)太極拳3位・太極剣3位
金澤 慎治(男子)長拳12位・刀術3位・棍術13位
薄井 花音(女子)太極拳5位・太極剣1位
佐藤実莉以(女子)長拳13位・剣術6位・槍術5位

 

*ユースオリンピック(YOG)

ユースオリンピック競技大会は,国際オリンピック委員会(IOC)主催による14歳から18歳までのアスリートが対象の国際総合競技大会。オリンピックと同じく夏季・冬季に分かれそれぞれ4年ごとに開催。2010年に第1回夏季大会がシンガポールで開催され,26競技が実施された。2014年の第2回大会は中国・南京市で開かれる。武術競技は2008年の北京オリンピックと同様,「武術トーナメント」の形で16歳から18歳までの選手が参加する。

南京の次の第3回夏季大会の開催地はブエノスアイレスに決定している。


女子太極剣1位の薄井花音選手

男子太極拳・太極剣で銅2の大津朝陽選手

男子刀術で3位の金澤慎治選手

 


◇大会レポート◆
「第5回世界ジュニア武術選手権大会」
日本選手団監督 谷川 大(日本連盟選手強化委員長)

今回は今年8月に実施される「第2回ユースオリンピック・南京2014武術大会」の予選に焦点を絞り,A組の選手4人を派遣することとなった。空路12時間を経てトルコのイスタンブールに到着,国内線に乗り換えて,開催都市アンタリアに入った。地中海沿いのリゾート地であり,夏季にはロシア,ドイツなどからの旅行客により人口が10倍になるという。

今回の大会は開催時期の変更(例年夏季から秋季に実施)と,A,B組での種目変更などの影響からか,世界選手権とはいえ,やや小規模であった。

A組の競技種目はここ数年日本連盟でもその訓練と定着を進めている国際第三套路である。今回代表となった選手はジュニア選手とはいえ,それぞれ国際大会の経験を積んできたベテランだ。しかし難度と連接難度を含む第三套路では一つのミスが大きく成績に影響するため,コンディショニングと集中に注意を払って大会に臨んだ。選手は移動の疲れもある中,女子太極剣での優勝を含めて大変よく健闘した。

今大会では,変更となったA組の種目とB組太極拳種目に関して,どの国の取り組みも十分とは言えなかったが,国際ジュニア大会が毎年開催される中で,日本国内では,選手層の拡充とともに,基礎技術の強化と身体能力向上に向けての取り組みが最も大きな課題であると考えられる。