「中国伝統太極拳推手特別講習会」 本部研修センター 2月14・15日

「中国伝統太極拳推手特別講習会」
160人が受講 推手技術、太極拳理論と養生功を講習

【掲載:2009年03月15日】

本部研修センター 2009年2月14・15日

 東京都武術太極拳連盟が中国・北京市から招請している伝統太極拳推手の名手、馬長勲氏一行3人による推手特別講習会が、2月14日(土)・15日(日)に、日本連盟本部研修センターで開催された。

● 定員160人に限定して実施:

 この特別講習会は、講習の効果を高め、受講者の安全を確保するために、定員を160名とした。また、受講者は日本連盟が2007年度と2008年度に本部研修センターで合計6回開催した「推手講習会」のいずれかに参加したことがある人に限定して行われた。定員を超える200人以上の参加申込みがあったため、抽選で160人の受講者を選抜して実施された。

● 推手、養生功、太極拳理論の高度な内容を講習:

講習会は、2日間にわたり、3分野の内容で実施された。

①養生功(ようじょうこう):腕、胸、背、脊柱、腰、膝などを、比較的簡単な開合動作で動かすことによって、体の内部(内臓諸器官)を柔らかくマッサージするもの。内臓諸器官の働きのバランスを回復する、中国の伝統的な養生法として紹介された。また、太極拳で最も重要とされる、心身を「ゆるめる、リラックさせる=放鬆 ファンソン」を体得するための動作の要領が紹介された。

站功(たんとうこう):自然に立って静止した姿勢を数分間保つ練習法。①の「養生功」が体を動かす「動」による心身を調整法であるのにたいして、「站功は「静」の状態を保つことで、心身を安静状態に導き、ゆるめることを体得する練習法。太極拳の上級者の段階で求められる「内外双修」の練習法として紹介された。

③推手(すいしゅ):二人で行う太極拳の練習法で、太極拳の上級者が、型の練習である套路(とうろ)と並行して練習するものとして、推手の基本技術と応用技術の講習が行われた。推手は勝敗を争う技術ではなく、二人で軽く柔らかい力を伝え合い、感じ取り合う高度な技法の体系として練習すること、「太極拳論」等に示されている本来の太極拳理論と推手技術、套路技術との関係についての詳細な説明を加えて、高度な内容の技術講習が行われた。

 受講者は、馬長勲氏の温厚篤実な指導振りと超絶技巧の示範に魅了され、極めて充実した講習を受けることができた。

 日本連盟講師の石原泰彦、大塚かづ子、高山恵靖子、三代一美、潮田強の各氏と中央大学の宮本知次氏の6人が講習会補助講師を担当した。
 馬長勲氏一行は、2月21日~3月1日に東京都武術太極拳連盟が主催する講習会と、3月7日~8日に近畿ブロックが主催する上級者講習会に参加した後に帰国した。