第73回理事会・第44回通常総会を開催 2011年度事業計画案と予算案を承認

-2011年度事業計画案と予算案を承認-

【掲載:2011年02月15日】

社団法人日本武術太極拳連盟は1月15日、東京・四谷の「主婦会館・プラザエフ」で第73回理事会および第44回通常総会を開催した。

第73回理事会には日本連盟理事・監事計19人(委任状による出席3人)が出席し、第44回通常総会には49加盟団体から正会員代表49人が参加した。理事会に先立ち常務理事会が、理事会・総会に続いて第22回都道府県連盟代表者会議(ブロック会議)が開かれた。

第73回理事会は15日午前11時に開会、議長に岡﨑温常務理事、議事録署名人に友正慧、前田修の両理事を選出した。

■結成24年目を迎え新たな発展を「競技スポーツ」と「生涯スポーツ」の両面


総会で専務理事報告をおこなう村岡副会長・専務理事

 村岡久平副会長・専務理事が挨拶と2010年度下半期の事業活動報告として次のように述べた。「日本連盟は今年結成24年になる。この間みなさんの尽力で競技スポーツ、生涯スポーツ(社会体育)の2つの側面で太極拳が普及してきたことは喜ばしい」。「前回の総会以降、全日本選手権大会が開催され、今年度下半期は『第4回世界伝統武術フェスティバル』(中国・武当山)、『第16回アジア競技大会』(中国・広州)、日本が中国に次いでメダル獲得数2位の好成績を達成した『第3回世界ジュニア武術選手権大会』(シンガポール)などの国際競技大会が盛んに行われた。
 組織強化の問題として未加盟4県の県体育協会加盟に加えて、市区町村レベルの地区体協加盟を進めて、生涯スポーツとしての武術太極拳のさらなる普及を図っていきたい。また、長野県連盟は現在、訴訟問題を抱えているが、このような内部の問題を回避するためにも、特に財政面を中心に組織の透明性を高めることに留意されたい。日本体育協会と日本オリンピック委員会(JOC)は今年、創立100周年を迎え、7月には国際オリンピック委員会(IOC)首脳を迎えて記念事業が行われる」

■太極拳の普及は発展期から成熟期へ
 活動報告に続いて、2011年度事業計画案の審議にあたり、石原泰彦理事・事務局長が事業計画案を説明し、渡辺敏雄総務部長が2011年度予算案についての説明を行った。
 事業計画案のなかで石原理事は、これまで右肩上がりの成長を続けてきた「太極拳技能検定」のうち5級~1級受験者数の減少傾向について説明するとともに、今後の横ばい、もしくは減少傾向に対して歯止めをかけるためにも認識を新たに今後の対応を行う必要があることを喚起した。
 さらに、「この傾向は太極拳の普及が発展期から成熟期・充実期の段階に入ったために見られるもので、これに対して級検定の対応策にとどまらず、普及事業への中・長期的計画をたてる必要がある」と述べた。

■着々と準備進む新法人への移行申請
 今年3月に申請を行う「公益社団法人への移行認定」については、渡辺総務部長が公益社団法人の概念と認定申請手続きの進捗状況などを説明し、申請に伴い作成・整備した「公益社団法人日本武術太極拳連盟定款」(案)と新法人対応の2011年度収支予算書内訳表(案)について説明した。
 その他の事項として、石原理事から「第5期ブロック講師研修会」の実施などについての提案がなされた。また、今年3月までにDVD『42式太極拳』、『42式太極剣』を制作して、新年度4月に刊行する予定であることなどが説明された。
 理事会はこれらの議案を審議のうえ承認し、総会に提出することとした。

■第44回通常総会に47都道府県連盟
学生連盟・散手倶楽部の代表49人が出席


都道府県連盟代表者会議の模様

15日午後1時から開かれた第44回通常総会には日本連盟役員、全国47都道府県連盟および学生連盟、散手倶楽部から代表49人とオブザーバーら合わせて96人が出席した。

議長に岡﨑温常務理事が、議事録署名人に友正慧、前田修の両理事が選出された。

総会冒頭、村岡久平副会長・専務理事が挨拶に立ち「日本連盟は今年24周年、国際武術連盟(IWUF)は20周年を迎える。国際武術連盟には現在141の国・地域が加盟しているが、180の国・地域の加盟が目標である。また、日本連盟が事務局をつとめるアジア武術連盟(WFA)には37カ国・地域が加盟しており、アジア大会、世界ジュニア選手権大会などの国際大会が2010年後半に活発に開かれた。また、第2回ユースオリンピック競技大会が2014年に中国・南京で開催されるが、この大会でも武術太極拳がオープン競技となるよう取り組んでいく」と述べるとともに、「県体協、市区町村体協に積極的に加盟することで組織化を進めよう。組織の“透明性”を保とう。武術太極拳を取り巻く現状を数字・資料などで正しく把握・分析し、今後の発展につなげよう」などと述べて、専務理事報告とした。

石原泰彦理事・事務局長と渡辺敏雄総務部長が理事会と同様に、新年度事業案と予算案の説明を行った。
 各案件の審議のなかで、事業の追加として「本部研修センターの改築・改修のための積立」が提議された。
 「公益社団法人への移行認定申請」に関して、日本連盟会計顧問の山田陽國公認会計士が公益社団法人移行の概要と移行計画の状況などを説明した。
 太極拳技能検定のうちの5級~1級受験者の減少傾向については理事会と同様に、石原理事が「前向きな気持ちで考え、具体的な策を提案して、太極拳技能検定受験者減少傾向に歯止めをかけることが必要」との認識を訴え、また太極拳普及の発展期から成熟期への移行に見合う中・長期的計画の策定について説明した。
 2001年に始動した「武術太極拳発展五カ年計画」は2006年に本部研修センターの設立など多数の成果とともに終了した。今後は継続して既存事業を積み立てていくことと同時に愛好者のレベルアップと指導者層の指導力アップを図るものとなる。
 補足説明の後、審議に入り、すべての議案が満場一致で承認された。
 承認された事業計画と主要事業日程などはこちらに掲載。

■今秋に開催「ねんりん熊本」「スポレク栃木」「山口国体」
 昨年10月の「ねんりん石川」を主管した石川県連盟の坂口志津子理事長と「スポレク富山」を主管した富山県連盟の按田忠重理事長がそれぞれの大会が成功裡に終了した報告と全国からの参加・協力に感謝する旨の挨拶を行った。
 また、今年11月6日に栃木県茂木町で開かれる「スポレクエコとちぎ」の主管団体である栃木県連盟の高山守夫理事長が「栃木は日光、那須と見どころの多い観光地がたくさん。全国の皆さんを歓迎します」と挨拶したのに続いて、10月16日、熊本県山鹿町で開催される「ねんりんピックくまもと」を主管する熊本県連盟の岩元克雄理事長が「山鹿は由緒ある温泉とおいしい食べ物でみなさんを歓迎いたします。この機会に県内に太極拳の知名度を上げたいと期待しています」と挨拶した。
 今年の国体は山口県で開催、武術太極拳競技は10月9日、下松市で行われる。

■代表者会議でブロック会議と全体会議
ブロックの事業計画・課題などを報告

 総会に続いて、日本連盟、都道府県連盟の代表者らが出席して「第22回都道府県連盟代表者会議」が開かれ、議長に岡﨑温常務理事が選出された。全体会議の前にブロックごとに分かれた「ブロック会議」で、各ブロックの当面の課題、新年度事業計画などを協議し、全体会議で報告した

 全体会議冒頭、二階俊博日本連盟会長が挨拶に立ち、「今年も力を合わせて、日本全国で武術太極拳の普及に頑張りましょう」とエールを送った。
 次回、第45回通常総会と第17回太極拳技能検定委員会全体会議は6月18日(土)東京・四谷の主婦会館プラザエフで開催される。

■新年懇親会でなごやかに交流
 すべての会議が終了した後、プラザエフの会場で新年懇親会が開かれ、会議出席者ら多数が参加して、全国から持ち寄られた「美酒」を賞味しながら、一同和やかに歓談し、今年一年の全会員の健康と活躍を願った。

新年懇親会で挨拶する二階俊博日本連盟会長

新年懇親会の模様