第84回理事会・第49回定例総会を開催-2014年度事業計画と予算案などを承認-

【掲載:2014年02月15日】

公益社団法人日本武術太極拳連盟は1月18日,東京・四谷の「主婦会館・プラザエフ」で第84回理事会および第49回定例総会を開催した。

理事会には日本連盟理事15人,監事2人の計17人が出席した。

総会には理事・監事をはじめ,全国の49加盟団体から正会員49人とオブザーバーあわせて87人が出席した。理事会に先立ち常務理事会が開かれ,理事会・総会に続いて全国7ブロックによる第25回都道府県連盟代表者会議(分科会・全体会議)が開催された。


第49回定例総会で開会挨拶を行う村岡久平副会長・専務理事

今年は組織全体の活性化を図るために更に努力を

第84回理事会は15人の理事と監事2人の出席と専門委員会委員長3人および事務局から3人の陪席を得て午前11時に開会。二階俊博会長が欠席のため,議長に岡﨑温常務理事を選出した。

議案の審議・承認に入る前に,村岡久平副会長・専務理事が「新年おめでとうございます。今年も新たな成果を生む一年にしてまいりましょう」と開会の挨拶を述べ,2013年下半期の事業活動報告(専務理事報告)として次のように述べた。

「日本連盟の中核をなす太極拳と長拳の公認技能検定制度(段・級位制)は各ブロックで,また中央で順調に進められており,太極拳では2012年度下半期から新設した4段位の審査会が着々と実施されている。

組織運営の面では日本連盟は今年6月の第3回定時社員総会で2年ごとの役員改選を行う。定員20人の理事,定員4人の常務理事,いずれも定員を割り込んでいる現状から将来を見据えた新たな役員人事で,組織全体のさらなる活性化を図りたいと考える。

2019年の茨城国体から2022年までの4年間,武術太極拳が国体公開競技となることは周知のとおりだが,将来の国体正式競技化を視野に入れて,武術太極拳競技全体のグレードアップを図ろう。オリンピック競技採用を目指すためにも欠かせないことである。2020年東京オリンピックでの追加競技に候補入りはしたものの,惜しくも採用されなかったが,さらなる発展とオリンピックのような大きな舞台を求めて組織・技術・運営面で一致団結して対応し,オリンピック採用を今後の大きな目標として活動していきたい。

昨年7月の第30回全日本選手権大会では566人の3段取得者により30回記念24式太極拳集団演武が披露され,また今年11月には初の「太極拳世界選手権大会」が開催される。あらゆる場所で,様々な機会で武術の持てる力を存分に発揮しよう。

昨年後半以降,日本連盟は4つの国際大会に選手団を派遣した。8月のワールドゲームズ・カリ大会(コロンビア),第7回アジアジュニア選手権大会(フィリピン・マニラ市),10月に第6回東アジア競技大会(中国・天津市)と第12回世界武術太極拳選手権大会(マレーシア・クアラルンプール市)。いずれの大会でも日本代表選手は好成績をあげることができた。

今年の国際大会は3月の第5回世界ジュニア武術選手権大会,8月のユースオリンピック・武術トーナメント,9月の第17回アジア大会・武術競技と3大会が開かれる。日本代表の活躍を期待するとともに世界的にますます武術が発展している状況を認識したい。

国内では「スポーツ庁」の新設が進められているが,全47都道府県での体育協会加盟の早期実現と各地域での市区町村体協加盟を進めることによって私たちの組織の強化と拡大を図ろう」と話した。また,「新年度は4段位の推進はもちろんのこと,財政面にも十分配慮して組織の強化と発展を図っていきたい」と強調した。


第84回理事会で審議する理事ら

新年度事業計画・予算,専門委員会の改編,「医・科学委員会」新設などの審議を行う

理事会議案として提出された2014年度事業計画案の審議にあたり,石原泰彦理事・事務局長が事業計画案の全体について説明し,渡辺敏雄総務部長が2014年度予算案について説明を行った。

事業計画案のなかで,石原理事は2013年度内の開催となる「第5回世界ジュニア武術選手権大会」への選手派遣の内容が通常のジュニア国際大会と異なる事情と,11月に中国四川省成都市で開催予定の「第1回世界太極拳選手権大会」の詳細は上記の世界ジュニア大会の際のIWUF会合で決定する旨を説明した。

議案「第86回理事会・第3回定時社員総会(6月)における役員改選」については,村岡副会長・専務理事が説明と提案を行った。

議案「専門委員会の一部改編」については石原理事・事務局長が「現在の9委員会を新たに8委員会に編成しなおす。8委員会のうち,組織整備委員会,国体準備委員会,医・科学委員会は新設であり,6月の第86回理事会・第3回定時社員総会において正式に設置する」と説明した。

その他の議題「(公財)日本スポーツ仲裁機構 仲裁への自動応諾条項」については石原理事・事務局長が解説した。「税制変更による教材頒布価格改訂案」については4月1日から5%から8%に上がる消費税率を反映した教材,DVDなどの頒布品の改訂価格について渡辺雅人事業部長が説明を行った。

また,議題「新会員管理システム(都道府県連盟用)」については渡辺雅人事業部長が今年度内に,数県宛にテスト版を用意するとの説明を行った。

その他の議案として,6月に新設予定の「医・科学委員会」の準備委員の一人,中谷康司・東邦大学医学部助教から「太極拳の幸福感調査」の実施を依頼されていることについて,石原理事・事務局長が調査の趣旨を説明し,各都道府県連盟あてに3月下旬までに関係調査書類を送付するとしてアンケート実施関係者への協力をお願いした。

理事会はこれらの議案を審議のうえ満場一致で承認し,総会に提出することとした。


第25回都道府県連盟代表者会議分科会の模様

第49回定例総会に都道府県連盟などから代表49人が出席 第25回代表者会議も開催

1月18日午後1時から開かれた第49回定例総会には日本連盟役員,全国都道府県連盟および学生連盟,散手倶楽部から代表49人とオブザーバーらあわせて87人が出席した。

議長に岡﨑温常務理事が,議事録署名人に川崎雅雄理事,友正慧理事がそれぞれ選任された。

村岡久平副会長・専務理事が開会の挨拶と理事会同様の報告を行った。その中で,国際武術連盟(IWUF)加盟は150カ国・地域,アジア武術連盟(WFA)加盟は37カ国・地域となり,武術太極拳は世界で注目される国際競技団体になりつつあることを強調した。理事会承認を経て,総会に提出された議案については理事会同様,次のように説明が行われた。

2014年度事業活動計画案と予算案についてはそれぞれ石原泰彦理事・事務局長と渡辺敏雄総務部長が報告・説明を行い,満場一致で承認された。

議案「第86回理事会・第3回定時社員総会(6月)における役員改選」については,村岡副会長・専務理事が組織運営強化に向けての説明と提案を行った。特に,次期の専務理事(1名),常務理事(4名)の人選について,村岡副会長・専務理事から具体的に人名をあげて提案が行われた。これらについては第85回理事会(5月)において改めて詳細に検討したうえで,第86回理事会・第3回定時社員総会(6月)で定めることを満場一致で承認した。

その他の議案についても理事会と同様に説明され承認された。

総会で承認された事業計画,主要事業日程,関連資料などはPDFファイルに掲載した。


第25回代表者会議のブロック会議・全体会議の模様

今年10月「ねんりんピック」は栃木県宇都宮市で

昨年10月27日に高知県須崎市で開催された「ねんりんピックよさこい高知」の主管団体,高知県武術太極拳連盟の宮本博行副理事長が,「大会に参加された全国からの選手と観客の皆さん,ご協力ありがとうございました。全国の皆さんの演武を見せていただいたことで,高知県連盟のレベルアップ,会員増にもつなげていきたいと思います」と感謝の言葉を述べた。

今年のねんりんピックは栃木県で開かれる。武術太極拳競技は10月5日,宇都宮市で実施。栃木県連盟の高山守夫理事長が「ねんりんピック栃木2014の武術太極拳競技が行われる清原体育館は県最大の体育館です。宇都宮は観光アイテムも行事も盛りだくさん。選手,観客の皆さんの来県をお待ちします」と歓迎の言葉を述べた。

第25回代表者会議でブロック会議と全体会議全国7ブロックの事業計画などを報告

総会に続いて,日本連盟,都道府県連盟の代表者らが出席して「第25回都道府県連盟代表者会議」が開かれ,議長に岡﨑温常務理事が選出された。全体会議の前にブロックごとに分かれた「ブロック会議」で,全国7ブロックはそれぞれの新年度事業計画などを協議し,全体会議で報告した。

第3回定時社員総会と第20回太極拳技能検定委員会全体会議は6月21日(土),東京・四谷の主婦会館プラザエフで開催される。

懇親会に二階会長と中国大使館の来賓が駆けつけ,参会者と和やかに交流

すべての日程が終了した後,プラザエフの会場で「新年懇親会」が開かれ,理事会・総会出席者ら多数が参加して和やかに歓談し,今年1年の全会員の健勝を願って乾杯した。

懇親会に駆けつけた二階俊博会長は「みなさんと一致協力してこれからも武術太極拳の発展に尽力いたしましょう」と挨拶した。

来賓の中国駐日大使館友好交流部の孟素萍一等書記官は「日本連盟のみなさんの活動が国内外で活発に行われていることに敬意を表します。武術太極拳の源は中国にあります。残念なことに,現在,中日関係は厳しい局面にありますが,民間の交流,スポーツ,文化の交流は絶えることなく続いています。これからもさらに民間交流をすすめてください」と挨拶した。大使館からは呂新峰三等書記官も参会して,会場の参加者らとなごやかに談笑した。


新年懇親会で挨拶する二階俊博会長

新年懇親会で挨拶する孟素萍中国大使館一等書記官(左)と呂新峰三等書記官

第84回理事会・第49回定例総会出席者

日本連盟=村岡久平副会長・専務理事,岡﨑温常務理事,石原泰彦理事・事務局長,大沢藍未,大和久美代子,奥村吉昭,川崎雅雄,川島通正,高山守夫,谷甚四郎,塚原加代子,辻本三郎丸,友正慧,春木豊,前田修の各理事と有居晃,恩田享位両監事。陪席=谷川大選手強化委員会委員長,西村誠志審判委員会委員長,矢島孝一郎ジュニア普及委員会委員長,渡辺敏雄総務部長,渡辺雅人,菅野淳子両事業部長

第49回定時総会出席者・オブザーバー

北海道連盟=小平孝夫,小寺瑛子,青森県連盟=立石孝治,貝森慶一,岩手県連盟=川島潔子,高橋喜子,宮城県連盟=相澤秀子,岡野範子,鹿島眞理,秋田県連盟=国枝あつ子,武田繁子,山形県連盟=早坂ひで子,福島県連盟=沼澤祐子,石澤久芳,栃木県連盟=柏戸禮子,群馬県連盟=堀米秀夫,小山晶子,新潟県連盟=吉田功,長野県連盟=桜井啓司,安原茂,茨城県連盟=野田博明,埼玉県連盟=佐々木浩,石川佐奈江,千葉県連盟=林秀雄,東京都連盟=川端智子,大塚かづ子,岩田崇江,上島比都美,神奈川県連盟=鈴木浩次,椎名功,山梨県連盟=渡辺豊美,長田順子,富山県連盟=沢井武雄,石川県連盟=坂口志津子,福井県連盟=大西義幸,静岡県連盟=高橋かよ子,愛知県連盟=髙見一枝,三重県連盟=岩佐育代,岐阜県連盟=杉山哲,杉山千恵,滋賀県連盟=初田茂,京都府連盟=渡部健一,大阪府連盟=中道由美子,兵庫県連盟=脇本和子,奈良県連盟=津田洋子,和歌山県連盟=津毛望,辻順三,鳥取県連盟=前田慶一郎,島根県連盟=西村敏,岡山県連盟=増田泰治,広島県連盟=慶徳真由美,山口県連盟=小西輝保,香川県連盟=福田一惠,徳島県連盟=中西洋惠,柴田史,愛媛県連盟=稲葉美子,高知県連盟=宮本博行,氏原史子,福岡県連盟=篠崎しのぶ,佐賀県連盟=吉原和子,長崎県連盟=三浦義則,熊本県連盟=岩元克雄,大分県連盟=千鳥安雄,宮崎県連盟=吉田和男,鹿児島県連盟=有馬勝博,春田牧子,沖縄県連盟=津波古保,学生連盟=増田勝,散手倶楽部=木本泰司,池田純