【国際ニュース】東京でアジア武術連盟の会長・事務総長協議を行う

アジア武術界の相互協力を強化
国際武術連盟加盟国・地域数180を目標に

東京でWFAの会長・事務総長協議を行う

【掲載:2013年8月15日】

毎年東京で開かれている「アジア武術連盟(WFA)会長・事務総長協議」が8月4日午後,東京・赤坂のホテルニューオータニで開かれた。

今回の協議にはWFA会長の于再清・中国オリンピック委員会副会長,国際オリンピック委員会(IOC)委員,WFA事務総長の村岡久平(公社)日本武術太極拳連盟副会長,WFA事務局主任の岡崎温日本連盟常務理事が出席した。石原泰彦日本連盟理事・事務局長は第7回アジアジュニア選手権大会(フィリピン・マニラ)のため欠席した。

協議ではまず,最近のアジア地域の組織状況を検討した。現在,アジアには44の国・地域がOCA(アジアオリンピック評議会)に加盟している(準加盟含む)。そのうち,WFAには最近加盟したカタールを加えて38の国・地域が加盟していることを確認して,未加盟の国々への対応を検討した。

アジア武術連盟加盟国のなかでも,現在,活動が停滞している国・地域について対応していくことにし,今回ベトナムで行うアジアジュニア選手権大会の折に開催するWFA執行委員会(理事会),技術委員会で討議を深めることとする。

 

武術のオリンピック競技採用は大いに期待できる

国際武術連盟(IWUF)会長も務めている于再清会長は国際武術連盟(IWUF)の本部をスイスのローザンヌに移設した件に関して,事務所の役割,規模などについて報告した。ローザンヌには国際オリンピック委員会(IOC)の本部があり,各オリンピック競技団体の国際本部も同地にあるため,オリンピックならびに国際スポーツ界の情報収集やロビー活動がしやすいと言われている。

今年5月29日にロシアのサンクトペテルブルグで開催されたIOCの理事会で,2020年オリンピックの追加実施競技について武術は8つの候補競技のひとつとして選ばれてはいたものの,結局候補競技に残留することはできなかった。このことについて于再清会長は次のように説明した。

「IOC理事14人による無記名投票で武術は計36票を獲得した。これは他の候補競技と比べても高い評価を得たものである。獲得票数ゼロという候補競技もあった。今後,2024年オリンピックでも武術競技採用のチャンスはおおいにあり,期待できる」

一方,太極拳のみの世界選手権大会の創設については「来年,第1回大会を中国四川省成都市で開きたい。これについては10月マレーシア・クアラルンプールで実施される世界選手権大会期間中に開くIWUFの理事会で審議・決定するはこびである。まずはスタートすることが大切」と説明した。

また,国際武術連盟の展望として,中南米,アフリカを動員して現在の加盟会員数を30増やして180国・地域に拡げることをあげ,今後,いっそう努力して,オリンピックでの正式実施競技化を目指して,実現に向かって努力していく決意を表明した。

同日夕,二階俊博日本連盟会長主催の于再清会長歓迎宴が開かれ,二階会長はじめ,加藤勝信日本連盟副会長,村岡久平副会長・専務理事,岡﨑温常務理事が参加して,于再清会長夫妻と懇談した。

その席で二階会長から「日本武術太極拳連盟で代表団を組織して近いうちに訪中しては」という提案がなされた。

于再清会長は夫人を伴い,8月2日から6日まで東京に滞在し,6日夕方,第7回アジアジュニア選手権大会の開催地,フィリピン・マニラに向けて日本連盟の岡﨑常務理事とともに出発した。

 



「アジア武術連盟会長・事務総長協議」
左から村岡久平,于再清,岡﨑温の各氏

日本武術太極拳連盟主催の歓迎宴の模様。
左から村岡久平副会長,于再清WFA会長・韓春苓夫妻,右手前から二階俊博会長,加藤勝信副会長,岡﨑温常務理事