太極拳の北京五輪正式種目化を目指して北京で太極拳交流大会が盛会

日本、中国、韓国の太極拳愛好者3000人が大交流

【掲載:2002年09月15日】

 日中韓三国太極拳交流大会が8月25日、中国北京市で盛大に催された。

 今回の交流大会は、2008年北京オリンピックにおいて太極拳が正式種目として採用されることをめざす最重点事業として行われた。「太極拳を2008年北京オリンピックの正式種目に!!」という熱い思いが結集し、日本からは太極拳愛好者約600人が参加した。

日・中・韓3ヵ国の初の共同事業
/北京オリンピック開催決定祝賀

 太極拳交流大会は日本と中国で行なわれてきたが、日本、中国および韓国の3ヵ国で共同事業が行われるのは今回が初めて。2008年北京オリンピック開催決定を祝賀し、日中国交正常化30周年、中韓国交樹立10周年記念という三国間の国家的事業の一環として挙行された。

 日本連盟の加藤六月会長を団長、村岡久平副会長・専務理事を団長代理、高田明、長谷川凱久、岡崎温各常務理事を副団長とした総勢587人で編成された。北海道から沖縄まで45都道府県連盟から太極拳愛好者が参加した。8月23日、仙台、成田、関西、福岡の各空港から出発し、27日無事帰国した。

 今回の交流大会には、中国からは2000人余、韓国から79人が参加した。3ヵ国合わせて約3000人より、太極拳交流大会が25日に天壇公園、および国家オリンピックスポーツセンターで盛大に展開された。

早朝の天壇公園で3ヵ国愛好者集団演武
/五輪センターで交流演武と太極拳講習会

 25日7;30、天壇公園に3ヵ国の太極拳愛好者が集合。天壇公園内の圜丘壇で、日・中・韓の太極拳愛好者が全員白色のTシャツに身をつつみ、四層の輪を織り成して24式集団演武を行なった。

 午後、国家オリンピックセンター体育館では多彩な内容の交流活動が展開された。開会式で、李雅佩中国武術協会副主席が歓迎の辞を述べられた。日本連盟の加藤六月会長は挨拶で、北京オリンピックで武術が実施競技となり、さらに太極拳が正式種目として実施されるよう願う日本の太極拳愛好者の思いをアピールした。引き続き、韓国武術協会の尹錫憲会長が挨拶した。

 交流会に先立ち中国から少年武術演武、太極拳名家による演武、太極拳推手名家による推手の披露、優秀選手による演武披露が次々と行われた。

 日本、中国、および韓国の各国愛好者による24式太極拳集団演武が行われ、相互の演武披露に対して大きな拍手が送られた。太極拳推手規定套路の交流演武も華やかに繰り広げられた。

 太極拳名家による講習会では、太極拳フロア―一杯に分散し、24式、42式、陳式、楊式、呉式、孫式、武式、および推手について名家による指導が行われた。

 同日夜に、北京飯店大宴会場で3カ国の愛好者が一堂に会して慶祝パーティーが催された。記念品の贈呈、相互に出し物の披露が行われ親睦を深めた。

 日本太極拳代表団は、中国、韓国の太極拳愛好者との交流活動を行なうとともに、北京遊覧、買い物等を楽しみ、28日に無事帰国した。

(日本連盟機関誌「武術太極拳」2002年9月号、№153より)