「第10回世界ジュニア武術選手権大会」結果報告

金メダル1個,銀メダル4個、銅メダル3個、全員入賞の活躍!

国際武術連盟(IWUF)主催の「第10回世界ジュニア武術選手権大会」が、3月23日(月)~31日(火)(競技は26~30日)に中国・天津市で開催され、会場となった天津体育館には、世界28ヵ国・地域から246人の選手が集い、熱戦が繰り広げられました。

日本連盟からは、ジュニア日本代表選手として、A組男女各3人、B組男女各2人、C組男女各2人に加えて、監督・コーチ3人、帯同審判員1人、オブザーバー1人の総勢19人で大会に臨みました。

(公財)日本オリンピック委員会(JOC)の選手強化NF事業助成を受けて派遣された、日本ジュニア武術隊は、世界の強豪を相手に堂々たる演武を披露し、金メダル1個,銀メダル4個、銅メダル3個を獲得しました。

現地応援に駆けつけられたご家族や関係者の皆さまやライブ放送・SNSを通じて日本からの声援を送ってくださった多くの皆さまの応援が、ジュニア選手たちの大きな力となりました。

温かいご声援をいただき、誠にありがとうございました。

世界の舞台で得た経験を糧に、日本ジュニア武術隊はさらなる成長を目指して挑戦を続けてまいります。

大会会場にて集合写真

大会会場にて集合写真

金1個,銀4個、銅3個、全員入賞の活躍をみせた

金1個,銀4個、銅3個、全員入賞の活躍をみせた

会場となった天津体育館

会場となった天津体育館

 

「第10回世界ジュニア武術選手権大会」直前合宿レポート

目的

2026年3月21日(土)~22日(日)の2日間、東京・日本連盟トレーニングセンターにおいて、表記大会に向けての直前合宿を行った。

日本代表チームは、監督1名、コーチ2名、審判1名、選手14名の合計18名で構成されている。

日頃から練習を共にしているわけではなく、この合宿で初めて一つの日本代表チームが結成される。

各選手は所属チームで訓練を受けて大会に臨むため、本合宿の目的は技術訓練を行うためではなく、国際大会へ向けての最終調整の場とした。

特にジュニアの国際大会においては、海外経験や国際大会出場が初めてとなる選手が多いため、練習以外での細かい準備も必要となる。

そして合宿の最も重要な目的は、心を一つにして国際大会に臨める日本代表チームを作ることである。

成果

選手各自で自分に合ったアップを行い、全套回数も決め、本番を想定した練習を行った。

合宿初日は緊張によりミスが多く見られたが、選手同士に仲間意識が芽生え始めると、練習場での雰囲気にも変化が見られ、時間を追うごとに選手の士気が上がっていった。

メンタル面が原因のミスをする選手が少なくなっていき、安定した演技ができるようになっていった。

短い期間ではあったが、緊張感をもって集中した合宿をやり遂げることができた。

課題

長年の課題である動作の正確さの規格については、さらなる改善が必要である。

今回もまだまだ規定套路が正確にできているとは言えなかった。

ジュニア期の正確な基礎固めは、将来シニアの舞台で戦うための絶対的な基盤となる。

日本全体で今一度規定套路の見直しや、ルールの理解などの徹底を図らなければならないと感じた。

 

第10回世界ジュニア武術選手権大会(中国・天津)レポート

【目的】

本大会は、武術がダカールユースオリンピックの正式種目に採用され、将来のオリンピック実施競技入りを目指す極めて重要な局面で開催されました。

世界各国がユースオリンピックを見据え、かつてないほど非常に激しい競争の場となりました。

日本チームとしては、プロ化が進む諸外国の強豪に対し、アマチュアの立場ながらも正確な動作規格と身体能力の高さを示すこと、また前回大会より多くのメダルを獲得することを目指しました。

また国際的な普及が加速する現状を肌で感じ、次世代を担うジュニア選手が世界トップレベルの競争を通じて、技術、精神の両面を体感し、今後の日本武術界全体のレベル向上に繋げることも大きな目的でした。

【成果】

競技結果においては、金メダル1個、銀メダル4個、銅メダル3個を獲得し、前回のブルネイ大会(金1・銀1・銅2)を上回る素晴らしい成績を収めることができました。

世界的に武術がプロスポーツとして確立されつつある厳しい環境下で、日本の選手たちの技術は各国から絶賛され、国際舞台で存在感を示しました。

直前合宿から大会本番にかけて、選手たちは日々成長し、アスリートとしての自覚を深め、競技スポーツとしての武術のさらなる発展の確かな手応えがありました。

【課題】

今大会は減点基準が極めて厳しく、特にA組減点におけるコード14、53、26、77、20、22、63、64といった項目で多くの減点が見られました。

また、剣術Bでは盤腿平衡が持久性の平衡動作とみなされ、棍術の仆歩摔棍でも静止状態の有無に関わらず減点対象となるなど、日本でも対応が急務です。

今後の最優先課題は、ミスをなくしA組減点が満点となる演技を徹底することにあります。

また、他国選手の強烈なメンタリティと比較すると、日本人の性格が演技に表れてしまい、国際舞台で目立ちにくいという課題も再確認されました。

例えば拍脚一つをとっても、他国選手のような音の大きさやスピードがなく、技術で負けていなくとも印象で見劣りしてしまいます。

特に男子の跳躍においては、高さは当然として、着地した瞬間の体の反応や意識の強さといった「インパクト」弱さも感じました。

今後の強化策として、指導者自身がルールを熟知し、套路の動作確認を行うなど、コーチも選手と共に成長していく姿勢が不可欠です。

規定套路はジュニア期の土台作りに必要な要素が含まれており、自選套路ではないからこそ、動作名称通りの正確な動作と基本技術の徹底が求められます。

表現力とは套路を崩すことではなく、目、指先、つま先など、隅々にまで意識を置き、基礎的な技術、リズム、意識などによって作り上げるものです。

手型、歩型、基本功といった基礎練習を今一度見直す必要性が重要です。

また、国際大会を目指す以上、食事や睡眠といった生活面でもアスリートとしての自覚を持ち、日常から意識を変えていく必要があります。

今大会で浮き彫りになった課題を直ちに行動に移し、次大会ではより強固な日本チームとして臨む決意です。

直前合宿から選手強化NF事業助成を受けて実施

直前合宿から選手強化NF事業助成を受けて実施

左から、今井友里乃、川村心輝、大槻紅白、白川奏那、白川桔平、竹澤成悠、渋谷天獅、星野智現の各メダリスト

左から、今井友里乃、川村心輝、大槻紅白、白川奏那、白川桔平、竹澤成悠、渋谷天獅、星野智現の各メダリスト

 

第10回世界ジュニア大会_代表名簿と成績一覧

  年齢
区分
性別 種目 氏名 ふりがな 所属連盟 出場種目と成績
1 A組 太極拳 川村 心輝 かわむら  しき 岩手県 太極拳2位、太極扇6位
2 長 拳 加藤 元気 かとう げんき 岐阜県 長拳12位、刀術5位、棍術予選9位
3 長 拳 竹澤 成悠 たけざわ なるひろ 富山県 長拳9位、剣術4位、槍術3位
4 長 拳 今井 友里乃 いまい ゆりの 兵庫県 長拳予選8位、剣術5位、槍術1位
5 長 拳 大槻 紅白 おおつき こはく 群馬県 長拳5位、刀術5位、棍術2位
6 長 拳 白川 奏那 しらかわ かんな 兵庫県 長拳予選8位、刀術2位、棍術19位
7 B組 長 拳 渋谷 天獅 しぶや てんし 岐阜県 長拳3位、刀術4位、棍術4位
8 長 拳 白川 桔平 しらかわ きっぺい  兵庫県  長拳7位、刀術7位、棍術2位
9 長 拳 河上 めい かわかみ めい 東京都 長拳7位、剣術6位、槍術5位
10 長 拳 潘 礼寧 ばん あやね  兵庫県  長拳9位、刀術5位、棍術5位
11 C組 長 拳 下起 拓郎 したおこし たくろう 愛知県 長拳7位、刀術5位、棍術5位
12 長 拳 羅 仁翔 ら じんと  大阪府  長拳12位、刀術6位、棍術9位
13 長 拳 木原 きなり きはら きなり 兵庫県 長拳4位、剣術6位、槍術8位
14 長 拳 星野 智現 ほしの ゆな  兵庫県  長拳14位、剣術3位、槍術6位
15 監督・コーチ 孫 建明 そん けんめい 選手強化委員会 委員長
16 孔 祥東 こう  しょうとう 同 副委員長兼ヘッドコーチ
17 神庭 裕里 かみにわ ゆり 同 ジュニアヘッドコーチ
18 帯同審判 王 輝 おう てる 国際審判員
19 オブザーバー 小島 隆平 こじま りゅうへい 日本連盟事務局長

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