第2回アジアジュニア武術選手権 中国・北京市で

日本選手団は総合成績4位 出場選手全員がメダル獲得

【掲載:2003年12月15日】

 「第2回アジアジュニア武術選手権大会」が10月10日~12日、アジア武術連盟(WFA)の主催、中国武術協会、北京市体育局、北京市武術協会の主管により、中国の北京市石景山体育館で開催された。
 大会には、WFA加盟の17 ヵ国・地域―
 日本、中国、韓国、朝鮮、中国香港、中国台北、中国マカオ、マレーシア、フィリピン、シンガポール、ベトナム、ミャンマー、ネパール、スリランカ、バングラディシュ、トルクメニスタン、ウズベキスタン―から選手200人が出場した(モンゴルはエントリーしたものの不参加となった)。やがては、アジア競技大会で競い合い、さらにオリンピックの大舞台で代表選手として活躍する可能性を有した各国・地域のジュニア選手が日頃鍛錬の成果を競い合った。
 大会開会式が10月10日に開かれ、村岡久平WFA事務総長がWFAを代表して挨拶、李志堅WFA会長・国際武術連盟会長が開会宣言を行った。北京市体育局の王寧局長から祝辞が述べられた。12日の閉会式で、王筱麟中国武術協会主席が閉会を宣言した。
 大会では套路競技と散手競技が行われたが、日本連盟は套路競技にのみ代表選手団を派遣した。選手団は谷川大監督(日本連盟選手強化委員会委員長)、孫建明ヘッドコーチ(日本連盟強化委ヘッドコーチ)、李霞ヘッドコーチ(日本連盟強化委ヘッドコーチ)、中村弘次コーチ(日本連盟強化委コーチ) 、神庭裕里コーチ(日本連盟強化委コーチ)、選手7人の合計12人。桂木聡子国際審判員(日本連盟公認1 級審判員)が帯同審判員として大会審判業務を担当した。WFA役員として日本連盟から村岡久平副会長・専務理事、岡崎温常務理事、石原泰彦理事が参加した。

日本選手団は金3・銀4・銅3獲得
小島選手は金・銀・銅メダル計3個

 套路競技は年齢層別にA・B2部門で行われ、A組が満15歳~17歳の部、B組が満12 歳~14 歳の部。A組では、1) 1) 長拳、2)南拳、3) 太極拳、4)刀術、5) 剣術、6) 槍術、7) 棍術の各種目を実施。B組の種目は、1)少年規定長拳、2)少年南拳、3) 24 式太極拳、4) 初級刀術、5) 初級剣術、6) 初級槍術、7)初級棍術。散手競技は体重別7階級。
 各選手いずれも健闘し、メダル数は金3・銀4・銅3を獲得し、出場17ヵ国・地域のうち総合成績4位となった。総合成績1位は中国で金15、2位ベトナムは金7・銀13・銅7、3位中国香港は金4・銀3・銅7をそれぞれ獲得している。いずれも散手競技の成績を含む。
 日本選手団は出場選手全員がメダルを獲得した。小島恵梨香選手(滋賀県連盟)はB組で女子初級刀術1 位、初級棍術2位、少年規定長拳3位となり、金・銀・銅各1個、計3個のメダルを獲得した。小貫達哉選手(東京都連盟)はA組の男子槍術、下村有輝選手(大阪府連盟)はB組の男子少年規定長拳でそれぞれ金メダルに輝いた。
 平岡優希選手(大阪府連盟)はB組の女子初級剣術と初級槍術でそれぞれ2位となり、銀メダル2個。B組出場の小林富選手(山口県連盟)は24式太極拳で2位となった。A組の市来崎大祐選手(大阪府連盟)は最も出場選手の多い種目となった長拳で18人中の3位で銅メダルを獲得。目黒大輔選手(千葉県連盟)はA組・南棍で銅メダルを獲得した。
 日本代表選手は今年春に開催された「第11回JOCジュニアオリンピックカップ武術太極拳大会」(4月12日/名古屋市・愛知県武道館)の成績により選抜された。選手団は10月4日出発、現地で直前合宿を実施し、コンディション調整のうえ大会選手団宿舎「京燕飯店」に入り、10日からの競技に臨んだ。13日無事帰国した。
 アジアジュニア選手権は西暦奇数年に隔年で開催される。今回の大会は当初、8月29 日~31 日実施の予定になっていた。しかし、中国・北京市で大会を実施した場合の新型肺炎(SARS)の影響を考慮し、参加選手と関係役員の健康と安全を確保を最優先し、開催を延期していたもの。
 第1回大会は2001年7月にベトナム・ハノイ市で行われている。毎回、世界武術選手権大会と同年に開催され、次回の第3回大会は2005年に行われる。

(日本連盟機関誌「武術太極拳」2003年11月号、№168より転載)
大会成績一覧は「国際競技大会、全国大会成績」を参照