公益社団法人日本武術太極拳連盟

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大会・イベント
第3回世界ジュニア武術選手権大会
2010.12.4 ~ 8 シンガポール 46カ国・地域、750人が参加
金6、銀5、銅6、全員が入賞する活躍!!
 国際武術連盟(IWUF)が主催し、シンガポール武術龍獅総会が主管する「第3回世界ジュニア武術選手権大会」が、12月4日~8日にシンガポールで開催され、46カ国・地域から750人の選手と関係役員が参加した。
 第1回大会は、2006年9月にマレーシア・クアラルンプールで開催され、40カ国・地域から400人が参加し、第2回大会は2008年12月にインドネシア・バリ島で44カ国・地域650人の選手、関係役員が参加した。
 今大会では、套路競技は、年齢別(A組=18~16歳、B組=15~13歳、C組=12~7歳)の男女計50種目が実施され、また、散打競技(18~16歳)が体重別に、男子 8 階級、女子 4階級の12階級で実施された。
 日本からは套路競技のA、B、Cの各年齢組に男女計12人の代表選手がエントリーし、監督、コーチの4人とあわせて計16人の代表選手団を派遣した。

第3回世界ジュニア選手権大会の会場
日本代表選手団(選手・コーチ・審判)が勢ぞろい

●日本代表選手団: 1.監督=前東篤子(選手強化委員会副委員長)
2.孔 祥東コーチ(同委員会強化コーチ)
3.丹井 均コーチ(同上)
4.高山宗久コーチ(同上)

A組選手: 1.荒谷友碩(千葉県連盟)
2.藤永和樹(大阪府連盟)
3.齋藤志保(岩手県連盟)
4.山口亮子(大阪府連盟)
B組選手: 1.村上 僚(北海道連盟)
2.中井上総介(大阪府連盟)
3.菊永有紗(鹿児島県連盟)
4.大津こころ(兵庫県連盟)
C組選手: 1.森 大樹(東京都連盟)
2.岡村泰佑(兵庫県連盟)
3.西村すみれ(兵庫県連盟)
4.花野宏美(兵庫県連盟)
     
●金6、銀5、銅6を獲得 参加国中 第2位の成績!!  大会はシンガポール市内の「ジュロンイーストスポーツ文化センター」で開催された。この会場は、2005年7月に9カ国・地域から330人が参加して行われた「第3回アジアジュニア選手権大会」の会場として使用されたところである。
 今大会は、「第3回アジアジュニア大会」に対してほぼ2倍の参加規模であったため、競技は、12月5日~8日の4日間の午前と午後に、套路競技(1コート)と散打競技(1コート)が同一会場で、同時並行で実施された。
 大会は、ジュニア選手が基本技術を固め、競技力向上を図る目的で、年齢別のA組、B組、C組でそれぞれ異なる国際競技用規定套路の競技が行われた。
 日本は、選手12人のうち、山口亮子選手、齋藤志保選手の2人が、2年前の「第2回世界ジュニア」でB組に出場し、今大会ではA組で出場したが、それ以外の10人の選手はすべて大会初参加の新人ジュニアであった。
 大会第1日目午前の最初の種目、女子B組剣術で大津こころ選手が3位銅メダルを挙げたのを皮切りに、各種目で次々に金、銀、銅のメダルと入賞が決まり、大会4日間で金6個、銀5個、銅6個を獲得した。日本は、国別メダル獲得数で、中国の金メダル11個に次ぐ、第2位の優秀な成績を挙げることができた。また、選手12人の全員が入賞(8位以内)を果たしたことも、日本チームとして喜ばしいことであった。
 なお、2年前の「第2回世界ジュニア武術選手権」でも、日本は金メダル数8個を獲得、10個獲得で第1位の中国に次いで第2位だったが、今大会も引き続き第2位の結果を収めた。

●チームの結束力の成果、経験を生かしてさらに成長を:  日本選手団は、出発前の11月30日、12月1日の2日間、東京の本部研修センターで直前調整合宿を行い、12月2日に現地入りした。この直前合宿が効果的であり、大部分の選手が初参加であったにもかかわらず、選手同士が一致団結して4日間の競技に臨み、好成績を挙げることができた。
 大会期間中は、前東篤子監督と孔祥東、丹井均、高山宗久コーチ3人が一丸となって、各選手の心身両面のケアに取り組んだことが功を奏した。ジュニア選手にとっては、日本代表チームの一員として自然に結束力を強めることができたのも、貴重な経験となった。
 さらに、事前の強化訓練、代表選抜合宿などで、日本連盟の国際審判員が競技ルール面での情報提供と確認作業を十分に行ったことも、大会の成果につながった。
 大会には代表選手の保護者、関係者15人が応援に駆け付けて会場で熱烈な声援を送り、選手を大いに力づけた。日頃の訓練の成果として、今大会でメダルを獲得し、入賞を果たした選手全員に大いに祝福をおくりたい。同時に、各選手は国際大会の経験を生かして、さらにたくましく成長することを期待したい。

●ジュニアの技術課題、ジュニア強化策の課題:  各国がジュニア強化をすすめているなかで、今大会でも日本選手が比較的正確な技術と安定した演技を示した結果、好成績を挙げたことは、ジュニア強化活動の成果と言える。また、各団体の指導コーチにも敬意を表したい。
 ジュニア選手の試合成績は、体格、運動能力、技術が変化している不安定な状態での競い合いの結果である。そのなかで、健闘して優秀な成績を挙げた選手全員に重ねて祝福をおくりたい。
 その一方、メダルの数に満足することなく、参加した選手のそれぞれの技術課題を明確にし、今後のジュニア強化策に反映することが必要であると思われる。
 今大会では、基本動作の正確さと演技力の両面で実力を備えている選手が、東アジア、東南アジアだけでなく、西アジア、ヨーロッパ、アフリカ等のチームにも数多く見られた。以前は動作規格が正確であれば、上位成績に入れた種目も、それだけでは不十分となってきた。
 太極拳種目では、日本選手の動作規格は正確であるが、演技力、表現力が不足している、と評価される場面が目立った。基礎、基本を堅持しながら、演技力、表現力を体得してゆかなければならない。
 これらの技術課題を今大会の成果と教訓として、今後の強化訓練に反映することが急務である。また、選手強化委員会とジュニア普及委員会が連携して、さらに多くのジュニア選手層を育成してゆくことが期待される。

●大会派遣役員:  今大会には、日本連盟村岡久平副会長が国際武術連盟理事として、また、岡崎温常務理事が同連盟専門委員会委員として参加した。競技役員として三船英国際審判員が套路審判員として派遣され、石原泰彦日本連盟理事が大会仲裁委員会委員を担当した。
(石原泰彦日本連盟理事 記)

A組女子槍術で金の山口亮子選手
B組男子24式太極拳と32式太極剣で金の村上僚選手
B組男子棍術で金の中井上総介選手

B組女子槍術で金の大津こころ選手
C組男子刀術で金の森大樹選手

●日本代表選手団の前東篤子監督に聞く(日本連盟選手強化委員会副委員長)

前東篤子監督


◇今回の達成点と今後の課題について  今大会で達成できたこととして次の3つを特記したい。これらが好成績の要因となったものと考える。
1.新ルールでの採点を視野に入れて、事前に強化訓練を行うことができたこと。
 昨年10月に行われた選考会に国際審判員が参加し、強化コーチと確認しながら選抜された代表選手の問題点を明確にした。そのため地元の担当コーチ、選手本人がはっきりした訓練目的を持って大会に向けた準備を行うことができたと思う。
2.直前合宿の目的を2点(問題点の改善とチームの結束力強化)に絞ったこと。
 最初に、選考会から1カ月間の訓練結果を確認、改善の可能性がある問題点を明確にした。競技当日までできるだけの改善を試みるよう選手本人に自覚を持たせて、大会での減点がないように最終調整を行った。
 選手が普段の実力を発揮できるチーム作りに力を注いだ。北海道から鹿児島県までの日本各地から、12人中10人が国際大会初参加で、国外に出たことのない選手も多く、あまり面識のないジュニア選手が集まった。
 親睦目的の内容を練習に組み入れるなどして、競技が始まる頃には結束力のある日本チームができあがった。そのため全員、心理的なプレッシャーに臆することなく演技ができたと思う。
3.監督、コーチを4人態勢で派遣してもらえたこと。
 ジュニア国際大会初参加コーチも含めて、効率よくチームを支える事ができた。ジュニア選手の強化にはコーチの育成も不可欠であり、今回はその良い機会になったと思う。
 今後の課題としては次の2点が考えられる。
1.新ルールに向けた対応
 日本チーム全体の減点は6回。A組で腿法2回、B組で歩型、跳躍、ミスが各1回、C組では歩型で1回減点された。
 単純計算ではあるが、今大会でもし0.1点の減点がなければ、日本チームはあと3個のメダルを獲得できたと考えられる。
 国際大会のたびに日本チームの減点回数そのものは減少傾向にあるが、0.1点の減点の有無はメダルの数に大きく影響する。
 今回は、選考会での問題点をできるだけクリアしたいと計画的に取り組んだが、6回の減点中4回分は問題点として指摘されていたものであった。
2.代表選手決定の時期
 歩型、腿法、跳躍について、非常に基本的なことでありながらも、ジュニア選手にとって短期間で改善することは簡単ではない。
 これを改善するには、代表決定の時期を早くに設定する事も考える必要があるのではないか。
 選手に問題点を持ち帰らせ、一度短期間の代表合宿を行い、その後また直前合宿で最終確認をする、というような取り組みをやってみてはいかがかと思う。

●大会成績:
区分 性別 種目 氏名 所属 拳  術 短器械 長器械
A組 男子 太極拳 荒谷 友碩 千葉県連盟 42式太極拳 3位 42式太極剣 4位
長 拳 藤永 和樹 大阪府連盟 長拳6位 刀術2位 棍術3位
女子 太極拳 齋藤 志保 岩手県連盟 42式太極拳 3位 42式太極剣 6位
長 拳 山口 亮子 大阪府連盟 長拳3位 剣術2位 槍術1位
B組 男子 太極拳 村上  僚 北海道連盟 24式太極拳 1位 32式太極剣 1位
長 拳 中井上総介 大阪府連盟 長拳4位 刀術3位 棍術1位
女子 太極拳 菊永 有紗 鹿児島県連盟 24式太極拳 2位 32式太極剣 2位  ―
長 拳 大津こころ 兵庫県連盟 長拳5位 剣術3位 槍術1位
C組 男子 長 拳 森  大樹 東京都連盟 長拳 6位 刀術 1位  ―
長 拳 岡村 泰佑 兵庫県連盟 長拳 12位  ― 棍術2位
女子 長 拳 西村すみれ 兵庫県連盟 長拳26位 槍術4位
長 拳 花野 宏美 兵庫県連盟 長拳14位  剣術7位


●参加国・地域 メダル獲得数:
順位 国・地域名
1 中 国 11 0 0 11
2 日本 6 5 6 17
3 中国香港 5 4 4 13
4 シンガポール 4 6 3 13
5 べトナム 3 6 5 14
6 ミャンマー 3 4 3 10
7 アメリカ 3 3 1 7
8 インドネシア 2 5 3 10
9 マレーシア 2 5 3 10
10 イラン 2 2 2 6
11 韓国 1 2 3 6
12 中国台北 1 1 4 6
13 中国マカオ 1 1 1 3
14 ウクライナ 1 0 1 2
14 カザフスタン 1 0 1 2
16 ロシア 1 0 0 1
16 フィリピン 1 0 0 1
18 カナダ 0 2 3 5
19 トルコ 0 0 2 2
20 ブルネイ 0 0 1 1
20 エジプト 0 0 1 1
  48 46 47 141

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