「第10回世界カンフー選手権大会」活動レポート

為武會友―多様性の大会 新たな展開と発展をめざして

2025年10月開催の「第10回世界カンフー選手権大会」に、日本から選手36人、オブザーバー6人、谷川大団長兼監督、劉一丁コーチを含む計44人が参加しました。

本大会では、12人以上が参加する種目では成績上位3名にそれぞれ金賞、銀賞、銅賞が授与され、日本チームは銀賞1つ、銅賞1つを獲得しました。さらに、各種目の出場人数に合わせて決められた割合で上位から1等、2等、3等が与えられ、日本チームは1等賞8個、2等賞16個、3等賞21個を獲得しました。

今回は、日本代表団の活動レポートを掲載いたします。なお、選手団の成績と名簿は、12月に掲載しておりますので、あわせてご参照ください。

大会に参加した日本代表選手団の勇姿

大会に参加した日本代表選手団の勇姿

 

日本代表団レポート

国際武術連盟(IWUF)主催による「第10回世界カンフー選手権大会」が、2025年10月14日(火)〜20日(月)の日程で、中国・四川省の峨眉山で開催された。

54の国・地域に中国国内各省、自治区からの参加者を合わせ、5,000人以上の参加となった。峨眉山での開催は2017年、2019年とコロナ禍を挟んだ2023年に引き続き四回目。本大会をもって峨眉山での開催は最後となる。大会は国際組3コート、中国国内組8コートが同時に展開される大規模なものである。

今回も会場のあちこちで「好久不見!」という挨拶が響く。この挨拶も国際的で、以前この大会で知り合った者同士、また中国各地から集まった老師、同門の兄弟弟子と多種多様。参加者がみな待ちに待った大会であった。開催に当たっては国際武術連盟、中国武術協会、地元四川省武術協会の皆さんが入念な準備を進められ、運営、対応にも細かな配慮がうかがえた。各国からの参加者も大会を楽しむとともに試合にも集中することができた。

国際大会は数多く行われているが、世界カンフー選手権の特色は多様性であろうか。多くの大会では実施される套路や動作に細かな決まりがある。この事は競技としての公平性、明確性を高い水準で維持し、国際競技スポーツとして発展してきた武術太極拳を支える大きな要素である。一方今大会では実に多様な参加方法が用意されている。前回も紹介したが、伝統の拳式器械ごとに年齢別に設定。その上で参加者数に応じた組分けを行い競技が実施され、参加する者も観客も共に楽しめる大会であった。その上で出場人数に応じて入賞者が決定される。参加者は自己の修練してきたものを以て参加することとなる。

同時に各種規定套路も種目とされており、百花采芳多種多様な武術種目を網羅するような形となっている。選手の出場種目も様々で、永年練習を重ねた伝統種目そのままで出場する方、国際ジュニア大会の種目で出場し、元の国際大会の代表選手が引率してくるチームがあれば、国際審判や各国のコーチが伝統選手もかねてチームを率いて出場する場合もありという具合である。また服装にもそれぞれの特色が現れ、その流派独特の服装で登場するという具合で、参加者は自己表現と共に楽しく参加していた。大会期間中は一昨年の第3回武術太極拳ワールドカップに審判、役員として来日された多くの方々とも旧交を温めることもできた。

日本チームの活躍

日本からの参加に当たり、日本連盟は本大会の主旨を吟味し、武術太極拳が長い歴史の中で多種多様に発展、各流派の中でも一人一様というほどの多様性を持ち、日本国内でも広く普及発展していること、またエントリーは各国一チームという点を考慮して、日本連盟加盟団体だけでなく、国内で武術太極拳を愛好する多くの方に門戸を開放するという基本方針を決定した。

この点でも武術太極拳に関して、今後の活動に於いて発展と展開の可能性がうかがえるものであるといえよう。参加者は全日本大会の常連選手、長く日本で指導に当たってこられた老師がグルーブを率いての参加、永年伝統の武術を修練続けていらっしゃる方など多種多様であった。今回で10回目となるこの大会だが、世界カンフーの前身である世界伝統武術選手権大会からの常連参加者も多数参加された。参加者は国内各地から四川省成都を経て、現地峨眉山に集合。

国際組も前回の2コートから3コート編成となったが、それでも大会期間中に多数の種目を実施するためスケジュールはタイトなものとなり、参加者の中には午前、午後と連続して試合があるという場合もあったが、それぞれ入念な準備のもと、大変良い状態で実力を発揮した。大会日程成績などについては2025年12月の会報を参照されたい。

大会全体を振り返って

大会期間中は大会と並行して様々なイベントも行われた。ジェット・リー氏が参加するイベントは各国入場券4枚と限定されたものであったが、参加された方は貴重な経験をすることができた。毎回このような催しや、武術器械、地元名産品販売ブースなども設けられ、大会に参加するだけでなく、このような試みを楽しみにされている方も多く、大会のもう一つの顔ともなっている。

前回から審判も多くの国による編成となってより全面的な展開となった。伝統大会も試行錯誤のうえ、一歩ずつ進んでいっており、弛まぬ努力の上に伝統が発展していく様子を目の当たりにした。競技規則は国際武術連盟の伝統武術競技ルールにのっとり、伝統武術大会としての在り方を考慮したものとなっている。

細かな競技時間などの規定はあるものの、広く門戸を開いたものとなっているのだが、種目区分については前回までとは異なり、中国国内大会での区分を導入して、前回まで多様性に則ったものから変化が見られた。このことについては昨年7月に実施されたアジア武術連盟の伝統武術委員会でも話題となっており、次回に向けてどのように変化するかが期待される。勿論多種多様な種目を競技として実施することは大変難しいのだが、何はともあれ、まずは世界の愛好者が一堂に会し、交流を深めていくことにこそ意義があり、そこから更なる活動が展開されていくことに期待したい。

今大会の開催に当たりお世話になったすべての皆様に改めて感謝いたします。

伝統武術選手権は今後も定期的に開催される予定。次回2027年第11回大会からの四回は、新たに江蘇省江陰市に於いて開催される予定である。また、2018年に開催されたアジア伝統武術選手権大会も、今年2026年後半の開催に向け、アジア武術連盟によって準備が進められている。ご自身の武術太極拳の新たな進歩・発見・発展のために、この楽しい大会に皆さんもぜひご参加ください。

盛大に執り行われた開会式の様子

盛大に執り行われた開会式の様子

圧巻の演武が披露され、熱気に包まれる会場

圧巻の演武が披露され、熱気に包まれる会場

開会式にはジェット・リー氏、呉京氏も参加

開会式にはジェット・リー氏、呉京氏も参加

国際組は3コートで実施

国際組は3コートで実施

世界各国の選手が多彩な種目の演武を披露

世界各国の選手が多彩な種目の演武を披露

世界各国の選手が多彩な種目の演武を披露

世界各国の選手が多彩な種目の演武を披露

世界各国の選手が多彩な種目の演武を披露

世界各国の選手が多彩な種目の演武を披露

世界各国の選手が多彩な種目の演武を披露

世界各国の選手が多彩な種目の演武を披露

世界各国の選手が多彩な種目の演武を披露

世界各国の選手が多彩な種目の演武を披露