「東日本大震災」被災地の各県連盟からの状況報告(一部県を除く)

【掲載:2011年04月15日】

東北地方太平洋沖地震により被害を受けた地域の県連盟から現時点での被災地・避難所生活の状況などの報告(メール・ファックス・電話)が寄せられている。

岩手県連盟

──県連盟事務所所在地の盛岡市は地震の揺れは大きかったものの,直接的な被害はなかった。花巻市周辺も同様。しかし陸前高田市,大船渡市は津波被害が甚大で,会員で亡くなられた方,行方不明の方,負傷された方,家族をなくされた方,自宅が流されてしまった方などがいらっしゃるようです。大勢の方が避難所で生活されたり,親戚宅に身を寄せたりということですが,詳細はまだはっきりしません。交通手段,通信などのライフラインがまだ完全に復旧していないため,安否確認などの連絡が困難です。直接震災被害のない地域でも,体育館などの各施設が避難所として使用されたり,計画停電が予定されたりで,教室開催や練習場所の確保が難しい状況です。県連盟では3月末開催予定だった理事会を中止しました。今後,加盟17団体の会員のみなさんの安否確認,被災状況の把握などを引き続き誠心誠意行ってゆきます。

2011年4月5日
高橋喜子・岩手県連盟事務局長
宮城県連盟

──現在少しずつ情報が入ってきています。県連盟会員で死者・負傷者の連絡はいまのところありませんが,家屋を流失された方が5名判明しました。これからいろいろ情報が入ってくると思いますが,引き続き,皆さんの安否確認を行っています。

仙台市内,空からの様子はビル群が整然と並んでいますが,ビル内部や道路の損傷が意外と大きいようです。余震がまだ強いなか,ライフラインの回復が進んできたので少しずつですが,日常を取り戻しつつあります。

仙台市の施設で使用可能な体育館や他の施設は避難者の方々,災害ボランティアの方々の使用が優先されるので4月の教室,県連盟,市連盟の行事予定はすべて休み,または中止しました。

2011年3月28日

鹿島眞理・宮城県連盟事務局長

福島県連盟

──この東北地方太平洋沖大地震で福島県は大変な被害を受けました。福島県は会津地方・中通り・浜通りと3つの地区に大別されます。全県的に程度の差こそあれ,家屋家財の損壊,停電断水とライフラインの停止,ガソリン・燃料不足,物流停滞による経済活動の停止と大混乱です。

浜通り地区はそれに加え,津波と原子力発電所事故により悲惨としか言いようがありません。しかしながら,ここにきて「がんばろう日本」の声があがるとともに,復旧復興の気運がみえてきました。徐々に回復しつつあります。

福島第1原発から30キロ圏内にある浪江町は二本松市に集団で避難しています。県連盟加盟の「なみえ武術太極拳友会」の方々も一緒に避難しています。みなさん,避難所にいても太極拳を続けています。避難所の過ごし方マニュアルにはエコノミークラス症候群対策のためにも適度な運動が推奨されています。

ここに,なみえ武術太極拳友会の小原健志会長からのメールを引用します。

───おはようございます。なみえ武術太極拳友会の小原健志です。

現在,浪江町では原発事故の避難指示により二本松市に避難しています。私は岳温泉あだたら体育館に240人の皆さんと避難所生活をしております。皆さんほとんど何も持たないままでの避難所生活です。

会員の皆さんの安否もほとんどわからないまま毎日が過ぎていきます。ここで毎日一人で練習しているのを見て,私もやってみたいと仲間が少しずつ増えました。また浪江で太極拳が出来る日を願う毎日です。まだまだ先になりそうですが。”何もなくても出来る太極拳,元気が一番”───(小原)。


「福島民友」 2011年3月25日付 桑折町

福島県二本松市内の避難所で太極拳を行う

なみえ武術太極拳友会の方々


「福島民報」 2011年4月1日付 福島市

また,福島県内には浜通り地区から避難してきた方々を受け入れている避難所が各地にあります。福島県連所属の各団体では自主的 にボランティア活動として,避難所の方々と一緒に太極拳やゆったり体操による運動をしています。だれにでも簡単にできる太極拳は 好評を得ているようです。

福島県では各地の避難所で身体をほぐしたり,少しでもリラックスしようと太極拳を行っている方々もいます。

地方紙「福島民友」に紹介された記事によると,桑折町の太極拳サークルでは同町の伊勢崎公民館で「練功」を20人余りの避難住民に教えているそうです。また,福島市あづま総合体育館でも同様に数人が太極拳を行っています。「食欲も出て,身体が温まった」と避難住民から感想が出ています。

2011年4月4日
石澤久芳・福島県連盟事務局長
茨城県連盟

──未だ,余震が続き不安な日々ですが,茨城県北部(北茨城市,高萩市,日立市)と連絡がとれない状況が続いています。あまりテレビなどで報道されないため現状がつかめていません。今日になって水戸協会を通して連絡が入りました。

日立市の会員の数人は,家が倒壊し避難しているとのこと,市営住宅を申しこんでいること,海側の方はみなさん避難所や親せき宅に身を寄せているとのことです。北茨城市の会員とは連絡がつかず,自宅を離れて避難しているのかもしれません。現在も連絡がとれません。

今のところ,会員の中でけが人や亡くなられたという報告はありません。

2011年3月23日
塚原加代子・茨城県連盟事務局長