第74回理事会・第45回通常総会開催-2010年度事業活動報告・決算報告を承認-

【掲載:2011年07月15日】

(社)日本武術太極拳連盟は6月18日,東京・四谷の主婦会館・プラザエフで第74回理事会および第45回通常総会を開催した。

理事会には理事17人・監事2人の計19人(うち委任状による出席2人)が出席して,総会提出議案を審議・承認した。

午後からの通常総会には49加盟団体の代表49人と日本連盟理事・監事・各専門委員会委員長らが出席して,提出された議案の審議・承認を行った。

理事会・総会に続いてブロック会議(分科会・全体会議)と第17回太極拳中央技能検定委員会全体会議,今回が第1回目のジュニア普及委員会全体会議が開かれた。

■理事会に19人出席,東北ブロックから大震災支援に感謝のことば

全員で黙とう。第45回総会の冒頭

第74回理事会は19人の理事会メンバーの出席と専門委員会委員長2人および事務局から2人の陪席のもと,午前11時に開会,議長に岡﨑温常務理事,議事録署名人に大塚忠彦理事と大和久美代子理事を選出した。

理事会の冒頭,奥村吉昭理事(東北・北海道ブロック選出)が挨拶に立ち,次のように述べた。

「3月11日の大震災に対しての全国のみなさんから寄せられたご心配,ご支援・ご協力ありがとうございます。ブロック全体では,地元の事情がまだ不明なことが多いうえ,多くの建物がダメージを受け,練習場も不足していたと聞きましたが,あちらこちらで復興・復旧に向けて再建が始まっています。これからもあたたかい目で見守ってください。ありがとうございました」

 

■武術をとりまく情勢と義援募金の報告

公務のため委任状出席の二階俊博会長に代わり,村岡久平副会長・専務理事が挨拶と専務理事報告として次のように述べた。

「今年1月の総会での審議・決定に基づいて公益社団法人承認に向けた申請書類などの整備を行い,内閣府に対する申請手続きを完了し,年内には承認を受けたい所存である。2020年のオリンピック夏季大会に東京が立候補する見通しであるが,実施28競技のうちの2競技が2013年秋のIOC総会の投票で決められる。2競技は8競技の候補から選出されるため,武術競技としては,まずその8候補に入らないといけない。武術が五輪実施競技候補に採用されることのメリットは大きい。そのためには国際大会などでの競技力向上,ジュニア選手層の拡大・レベルアップなども重要だが,全国の地域の太極拳の普及・向上が基本になると思う。昨日(6月17日),国のスポーツ政策の根幹となる『スポーツ基本法』が参議院で可決,成立した。全国の都道府県連盟の体協加盟とともに,市区町村連盟を組織して,市区町村行政との連携強化をすすめていただきたい。社会スポーツ・生涯スポーツの発展は時代の要請であり,今後太極拳の存在は各分野においてますます重要になる。みなさんのご協力をお願いしたい」

総会で挨拶する村岡久平副会長・専務理事

報告事項として,公益社団法人申請経過報告について石原泰彦理事・事務局長が次のように説明した。「公益社団法人の申請手続きは2011年3月下旬までに行う予定であったが,手続き上の理由により,内閣府に対して近々提出することを承認していただきたい」

続いて,「東北地方太平洋沖地震武術太極拳第1次義援募金」実施結果について石原事務局長が報告した。「大震災発生後,2カ月という短期間に第1次募金として4398万6706円が全国から寄せられたことは,私たちの組織の強い団結力を示すものであり,感謝している。1次募金総額は被災各都県連盟から寄せられた被災状況調査書に基づいて,該当する8都県連盟に配分し,5月24日に送金を完了した。また,第1次募金締切日までに把握ができなかった被災状況に対する支援として,7月29日まで,第2次義援金を募る。これを日本連盟としての義援募金の最後の機会として第2次募金へのご協力をお願いする。また,7月の全日本選手権大会会場で販売するTシャツにも大震災復興支援のメッセージがデザインされているので,これにもご協力をお願いする」

続いて,総会提出議案が審議された。理事会で承認された総会提出議案は次のとおり。

議案1)2010年度事業報告承認,議案2)2010年度決算報告承認,議案3)2011年度事業承認事項─①第5期ブロック講師承認,②ジュニア普及委員会活動方針,③第29回全日本武術選手権大会出場申込み規定変更,④公認A級B級指導員認定カリキュラム改革,⑤強化指定選手ランキング特A選手に対する強化助成金,⑥公認審判員制度改革,⑦公益社団法人移行に伴う諸規定整備。

議案1)については石原泰彦理事・事務局長が,議案2)については渡辺敏雄総務部長がそれぞれ説明し,有居晃監事が会計監査報告を行った。

議案3)の事業承認事項については石原理事・事務局長が個別に説明を行った。

■総会にすべての加盟団体代表49人が出席
「新公益法人化」「ジュニア育成」など審議

日本連盟第45回通常総会は同日午後1時から開催され,日本連盟役員と全国47都道府県連盟および学生連盟,散手倶楽部の代表49人とオブザーバーらが出席した。

議長に岡﨑温常務理事を,議事録署名人に大塚忠彦理事と大和久美代子理事を選任した。

総会冒頭,3月11日に発生した東日本大震災で亡くなった方々の冥福を祈って総会出席者全員で黙とうした。その後,被災規模が甚大だった岩手,宮城,福島,茨城県連盟代表が全国から寄せられた支援に対する感謝のことばを述べた。

「日本連盟の迅速な対応に感謝します。おかげで県連盟としても被災された会員に対して早く対応することができました。ありがとうございました。これからもよろしくお願いします」(川島潔子・岩手県連盟副理事長)。

「宮城県連盟では会員100人が被災されました。県内の死者・行方不明者13,893人,全壊建物は72000棟,32万人が避難し,現在も2万人が避難所での生活を余儀なくされています。皆さまから寄せられたあたたかい心と支援を大切にしながら,復興・復旧に努めたいと思います」(菊地浩・宮城県連盟会長)。

「全国からいただいた励ましの手紙,義援金に感動しています。福島県は地震・津波に加えて,原発事故が未だに収束の見通しがついていないため,いくつかの加盟団体が全国に避難し,今も3団体の所在がわかりません。みなさんの心を伝えるためにも最後までお探しします。みなさんにひとつお願いがあります。全国各地に避難されている会員が,各地の教室に練習に来られた場合には,温かく迎えてあげてください」(遠藤淑子・福島県連盟理事長)。

「日本連盟義援募金の,迅速な対応に感謝しています。県連盟は一丸となって被災された会員を支援していきます。福島県連盟と支え合いながら頑張っていきたい」(塚原加代子・茨城県連盟理事)。

■全国の義援募金協力に感謝 地方体協への加盟問題を提起

報告のなかで,村岡久平副会長・専務理事は,今回の東北地方太平洋沖地震に対する迅速な義援募金活動に感謝するとともに,「Wushu Familyとしての共通の心を大切に」と話し,2002年に9万人・3200万円の署名・募金を集めた「北京オリンピックに武術を」活動の経験と実績が今回の募金活動に生かされたことを評価した。また,理事会での報告と同様に「スポーツ基本法」の成立と47都道府県連盟のうち4県が県体協に未加盟であることから,地区町村体協への加盟推進について訴えた。

ブロック会議の模様

「来年は,日中国交正常化40周年,各地で予定されている中国との友好都市記念行事に積極的に参加してほしい」と報告を締めくくった。

次に石原泰彦理事・事務局長が公益社団法人への移行についてその進捗状況を理事会と同様に説明・報告した。

石原理事は第1次義援募金について「短期間に全国からの”心を集めた”今回の募金結果に感動するとともに,大いに誇りにしたい。1次募金締切日までに把握できなかった被災に対する支援として,7月29日締め切りの第2次募金を引き続き行う。義援募金の最後の機会として協力をお願いするとともに,”支え合う絆”を強めていただきたい。被災地のみなさんの復興に対する前向きな姿を見て私たちも頑張るという気持にさせていただいた」と報告した。

理事会で承認された総会提出議案のうち,石原泰彦理事・事務局長が事業報告について説明し,審議のうえ承認した。

渡辺敏雄総務部長が2010年度決算報告承認について説明し,有居晃監事が会計監査報告を行い,審議のうえ承認した。

議案3)2011年度事業承認事項─①第5期ブロック講師承認,②ジュニア普及委員会活動方針,③第29回全日本武術選手権大会出場申込み規定変更,④公認A級B級指導員認定カリキュラム改革,⑤強化指定選手ランキング特A選手に対する強化助成金,⑥公認審判員制度改革,⑦公益社団法人移行に伴う諸規定整備については石原理事・事務局長が個別に説明を行った。

以上で総会議事を終了し,岡﨑温議長が閉会を宣言した。

総会終了後,同会場でブロック会議(全体会議・分科会)と第17回中央技能検定委員会全体会議が行われた。

また同会場で「第1回ジュニア普及委員会全体会議」が開催され,各ブロックから計12人の委員が出席した。

次回の第46回総会は来年2012年1月21日(土)に開催する。

 

第74回理事会・第45回総会出席者

日本連盟=二階俊博会長(委任状),加藤勝信副会長(委任状),村岡久平副会長・専務理事,岡﨑温常務理事,石原泰彦理事・事務局長,川崎雅雄,友正慧,春木豊,奥村吉昭,高山守夫,大塚忠彦,大和久美代子,大沢藍未,谷甚四郎,辻本三郎丸,川島通正,前田修の各理事,有居晃,恩田亨位の両監事。陪席=谷川大選手強化委員会委員長,矢島孝一郎ジュニア普及委員会委員長,渡辺敏雄総務部長,渡辺雅人事業部長

 

第45回総会出席者・オブザーバー

北海道連盟=小平孝夫,小寺瑛子,青森県連盟=立石孝治,加藤隆利,岩手県連盟=岩根節子,高橋セイ子,高橋喜子,川島潔子,宮城県連盟=菊地浩,岡野範子,鹿島眞理,大沼陽子,秋田県連盟=武田繁子,田中紀代美,竹内キン,中田律子,山形県連盟=早坂ひで子,大泉健一,佐藤国幸,福島県連盟=石澤久芳,遠藤淑子,蛭田英明,沼澤祐子,栃木県連盟=鈴木真理子,群馬県連盟=堀米秀夫,小山晶子,新潟県連盟=吉田功,長野県連盟=古平幸司,小林まさ子,向山初美,茨城県連盟=野田博明,塚原加代子,埼玉県連盟=佐々木浩,千葉県連盟=林秀雄,石村恵利子,東京都連盟=川端智子,岩田祟江,上島比都美,武田久,神奈川県連盟=鈴木浩次,椎名功,山梨県連盟=渡辺豊美,長田順子,富山県連盟=沢井武雄,沢井武雄,石川県連盟=坂口志津子,高田恵津子,福井県連盟=大西義幸,静岡県連盟=高橋かよ子,愛知県連盟=高見一枝,三重県連盟=岩佐育代,西脇雅子,岐阜県連盟=杉山哲,松原千恵,滋賀県連盟=吉田由美子,京都府連盟=渡部健一,佐々木晴美,寺沢優吉,大阪府連盟=中道由美子,兵庫県連盟=下田不二子,脇本和子,奈良県連盟=津田洋子,飯降牧子,和歌山県連盟=津毛望,辻順三,鳥取県=前田慶一郎,島根県連盟=西村敏,岡山県連盟=増田泰治,広島県連盟=坂本公子,慶徳真由美,山口県連盟=小西輝保,香川県連盟=福田一惠,徳島県連盟=中西洋恵,萬藤武徳,愛媛県連盟=稲葉美子,高知県連盟=氏原史子,福岡県連盟=平塚アケミ,佐賀県連盟=井手敬子,長崎県連盟=三浦義則,山本道子,熊本県連盟=岩元克雄,吉田敏子,大分県連盟=千鳥安雄,佐藤俊郎,宮崎県連盟=吉田和男,鹿児島県連盟=春田牧子,沖縄県連盟=津波古保,学生連盟=増田勝,散手倶楽部=木本泰司

 

2011年度第5期ブロック講師名簿

2011年6月18日

社団法人日本武術太極拳連盟太極拳指導員委員会

北海道・東北
石田由紀子(青森),佐藤尚美(福島),志賀恒憲(山形),立石孝治(青森),土屋直美(山形)
北関東
高橋ルイ(新潟),吉田ますみ(長野),越後恵子(栃木),須永美知子(群馬)
南関東
鈴木浩次(神奈川),酒井恵子(埼玉),中西典子(茨城),東出桂子(東京),田原紀子(千葉)
東海・北陸
増田洋(静岡),坂口美智代(福井),中条幸子(富山),青山玲子(富山)
近畿
北川はつ江(滋賀),新保美香(京都),渡邊恭子(大阪),小野久美子(兵庫),飯降牧子(奈良)
中国・四国
河原晃子(岡山),佐々木節枝(鳥取),神原好美(香川),三保千鶴子(広島)
九州・沖縄
浦上久美子(福岡),梁井公美(佐賀),行田まさ子(熊本),別城美知子(熊本),原世津(宮崎)
計 32人