輝け!武術太極拳アスリート ~高龍大選手・村上僚選手~

日本武術太極拳連盟・選手強化委員会が認定する強化指定選手の活動や競技に向けた想いなどをご紹介します。

高 龍大選手

高 龍大選手

自選難度競技・長拳の高龍大です。武術太極拳を始めて、今年で13年目、自選難度選手になって2年目になります。まだまだ未熟者の僕が書けることは少ないのですが、この場をお借りして少し自分を振り返ってみようと思います。

武術との出会いとこれまで

「お姉ちゃんがやるなら僕もやる」と両親が武術太極拳をやっていた影響で7歳の時に始めました。この頃、同時に水泳も習っていましたが、たった週1回の練習が嫌で2年も経たないうちに辞めてしまい、武術だけを続けてきました。

3年後、初めて日本代表に選ばれ、国際大会に向け泣きながら練習をしていたのを覚えています。その後、コーチに「剣槍が向いている」と言われ、刀棍から剣槍へ種目変更しました。他の刀棍選手よりも力強さが足りなかった僕に向いていたと思います。

辞めたいと思ったことは何度もあります。高校受験を控えた年、受験勉強のため練習の回数を減らしました。少し練習をして大会に出るということは当然しんどく、次第に「楽しくない」「武術を続けて何になる」と思うようになり、受験後は遊ぶことが増え練習に行くという習慣がなくなりつつありました。ジュニア限りで辞めるという考えも持っていました。そんな時、同い年の選手の国際大会での活躍を聞き、それがとても悔しくて、再び闘志が湧いてきました。ジュニア最後の1年は辛く長い1年になりましたが、最後に1位を取った時の気持ちは言葉では言い表せません。再び火が付いて以来、勝ちたい!という気持ちは増しています!

僕の目標

シニアに上がり2年が経とうとしています。今年は必ず代表を取ると意気込んでいましたが、このような状況ですべての大会が延期・中止になってしまいました。残念ではありますが、今出来ることがあると思います。僕は武術のことを考える時間が増えました。今出来ることをやるか、やらないかで来年、再来年が大きく変わってくると思います。来年こそは!という気持ちで今年を乗り越えます。

そして再来年、アジア版オリンピックと呼ばれる4年に1度のアジア競技大会があります。武術競技において最も大きい大会で、世界中の武術選手がこの大会に出ることを望んでいます。五輪マークの入った代表ジャージを着て、アジア競技大会でメダルを取る、ということが僕の小さい頃からの目標です。当然簡単なことではありませんが、目標で終わらせる気はありません。目標を達成し、そしてその先も精進し続けます。

今後とも応援よろしくお願い致します!

3歳で既に伝統武術を…

3歳で既に伝統武術を…

高 龍大 KO Ryudai
2000/11/3生 大阪府出身
所属:大阪府武術太極拳連盟
職業:大阪産業大学 国際学部国際学科1回生主な競技成績:
■ 2011年 第6回アジアジュニア武術選手権大会 刀術1位
■ 2012年 第4回世界ジュニア武術選手権大会 槍術3位
■ 2015年 第8回アジアジュニア武術選手権大会
 長拳1位 剣術2位 槍術2位
■ 2018年 第26回JOCジュニアオリンピックカップ武術太極拳大会
 長拳1位 剣術3位
■ 2019年 第36回全日本武術太極拳選手権大会
 [自選難度]長拳4位・長拳短器械9位・長拳長器械8位

 

村上 僚選手

村上 僚選手

自選難度太極拳の村上僚です。北海道江別市で武術を始め、現在は東京都で選手として活動しています。

多種多様なことに触れて

武術太極拳は7歳のときに始め、地元では太極拳と長拳の両方を練習していました。そのお陰で自選難度を始めてから、跳躍に苦労せず、演武の表現力や身法を理解しやすくなりました。

上京してからは、大学では中国言語文化を専攻していましたが、法学部や西洋哲学の授業も受けていたり、社会人になってからは武術とは全く異なる業界の会社に入り、また他のスポーツの方と交流したりしていました。

そういったことを通じて、武術太極拳以外の価値観を知り自分の置かれている立場を俯瞰的にみられるようになったと思います。そしてこのように互いに関係がないようにみえる点と点をつなげていくことが今の自分の目標でもあります。

歴史から学ぶ

自分には、「愚者は経験から学び、賢者は歴史から学ぶ」という座右の銘があります。自分たちアスリートは確かに経験から学べることも多いですが、その自分の経験から学んだことだけに固執してしまいがちです。だからこそ自分の経験以外からも多く学び、その経験を客観的に見ることが必要だと思います。自分の経験を客観的にみて、常に学び続ける必要性があるという、自分への戒めとしてもこの言葉を胸に抱いています。

武術太極拳の套路にしても、現在、自選難度太極拳で流行となりつつある套路には、歴史として続く伝統太極拳の動作がよく使われています。このように過去を学ぶことで現在または未来に革新的なことができるのだと思います。

楽しみと強さをもって

新型コロナウイルスの影響で今年は各大会が中止になり、練習のモチベーションを保つのが難しい方も多いと思います。けれど武術太極拳の楽しみは決して大会だけではありません。仲間と日々の練習を楽しんだり、自分の技術の上達を楽しんだりすることもできます。自分も17年間続けていますが、今でもできなかったことができるようになるという楽しみを感じます。

正直、やはり選手として大会がなくなったのは悔しいですし、この先大会が無事に開催されるかどうかの不安もあります。しかしそういった過去の悔しさや未来の憂いではなく、今の楽しみに目を向けることが大切ではないでしょうか。

自分たちの仲間内ではよく、「武術太極拳にはその人の人生、生き方が表れる」と言います。この危機を乗り越える強い生き方は必ず自分たちの武術太極拳にも表れるはずです。その楽しみと強さをもって共にがんばりましょう。そして全て収まったときに、また皆さんにお会いできるのを楽しみにしています。

2018年、中央大学卒業式にて

2018年、中央大学卒業式にて

村上 僚 MURAKAMI Ryou
1995/8/21生 北海道出身
所属:東京都武術太極拳連盟
職業:フリーランス
主な競技成績:
■ 2018年 第35回全日本武術太極拳選手権大会
 [自選難度]太極拳1位、太極剣1位
■ 2018年 第1回世界大学生武術選手権大会
 男子太極拳3位
■ 2019年 第36回全日本武術太極拳選手権大会
 [自選難度]太極拳1位、太極剣1位