「第4回世界ジュニア武術選手権大会・中国マカオ」金2(山本千尋,中井上総介),銀5,銅4で健闘!!

2012.9.19~23 中国マカオ 40カ国・地域,800人が参加

【掲載:2012年10月17日】





日本代表選手12人全員がそろって

国際武術連盟(IWUF)が主催し,マカオ武術総会が主管して「第4回世界ジュニア武術選手権大会」が,9月19日~23日に中国マカオで開催され,40カ国・地域から800人の選手と関係役員が参加した。

第1回世界ジュニア選手権大会は2006年9月にマレーシア・クアラルンプールで開催され40カ国・地域から400人が参加,第2回大会は2008年12月にインドネシア・バリ島で44カ国・地域から650人が参加,第3回大会は2010年12月にシンガポールで46カ国・地域から750人の選手・関係役員が参加した。

今大会では,套路競技は,年齢別(A組=18~16歳,B組=15~13歳,C組=12~7歳)の男女計50種目が実施され。また,散打競技(18~16歳)が体重別に,男子8階級,女子4階級の12階級で実施された。日本からは套路競技のA,B,Cの各年齢組に男女計12人の代表選手がエントリーし,監督,コーチの5人とあわせて計17人の代表選手団を派遣した。

 

◎「国際第3套路」を初採用:

大会はマカオ市内の「搭石体育館」で開催された。この会場は2008年5月に「第7回アジア選手権大会」が開催され,また,2009年6月に「第5回アジアジュニア選手権大会」が開催されたもの。今大会では,套路競技1コート,散打競技1コートが同一会場内に設置され,9月20日から23日までの4日間,午前と午後に套路競技と散打競技が同時並行で実施された。

今大会で特筆すべきことは,ジュニア年齢別A,B,C,3組のうち,A組において,今年3月に発表されたばかりの「国際第3套路10種目」(太極拳,太極剣,南拳,南刀,南棍,長拳,刀術,剣術,棍術,槍術)が初めて採用されたことである。この套路は,ジュニア選手のレベルアップを図るために,それぞれの種目で幾つかの「難度動作」が取り入れられたもので,従来からある国際第1,国際第2套路に比べ,比較的難度の高い「規定競技用套路」である。昨年12月に国際連盟技術委員會が主催し,中国および各国の専門家,コーチを招聘して中国・広州市で「新套路編纂会議」が開催された。日本からも,孫建明選手強化委員会ヘッドコーチが参加して,各国の専門家による共同作業で制作された。

今大会は,新套路が発表されて半年しか経っていないなかでの開催であったので,A組各種目は,従来の国際第2套路と新しい国際第3套路のどちらでエントリーしてもよい,という変則的な競技実施となった。

日本のジュニア選手のうちA組年齢該当選手は,今年5月に本部研修センターで開催された春季強化合宿で,初めてこれらの新套路を習得し,6月の第1次代表候補選抜合宿,8月の代表最終選抜合宿を経てA組代表に選抜された。A組代表選手枠の男子2名(荒谷=太極拳,中井=長拳),女子2名(齋藤=太極拳,山本=長拳)は,全員新しい国際第3套路で競技に臨んだ。





「第4回世界ジュニア武術選手権大会」
会場の塔石体育館(中国・マカオ市)




出場選手・役員のほか多くの観客が会場を訪れ,観戦した

 

◎各国の急成長のなか日本選手が健闘:

A組部門で,国際第3套路で競技に参加したのは参加40カ国・地域中10カ国・地域(中国,インドネシア,韓国,香港,トルコ,イラン,オランダ,ベトナム,マレーシア,日本)であった。

今大会は,同一種目を従来套路の選手と新套路の選手が競い合うという変速的な暫定ルールで行われた。新套路は難度動作を伴うため,競技ルールの動作減点(動作の揺れなど)で,従来套路と比べて不利であった。それにもかかわらず,山本千尋選手が女子長拳2位(銀),剣術2位(銀),槍術1位(金)を獲得し,圧倒的な強さを見せた。また,中井上総介選手は,男子棍術で見事に1位(金)に輝いた。ジュニアの男女の中心選手が金メダルを獲得したことは,日本チームにとって意義のあることであった。荒谷友碩選手も,太極拳2位(銀),太極剣3位(銅)で,期待通りの成績を挙げた。女子太極拳の齋藤志保のメダルが期待されたが,一つの難度動作で極めて微妙な揺れで減点され,成績は5位に終わった。この減点が無ければ2位となる得点であった。しかし,国際大会での微妙な減点は,本人の今後につながる大きな経験となった。この経験を生かして,強い選手に育つことが期待される。

B組では,大津兄弟が活躍し,朝陽選手が太極剣3位(銅)を,夕陽選手が刀術2位(銀),棍術2位(銀)を獲得,また,森 未樹選手が女子槍術3位(銅)を獲得した。

C組は,高 龍大選手が槍術3位を獲った。他の選手は今後に期待をかける結果となった。

世界ジュニア大会を振り返ると,2008年の第2回インドネシア大会で,日本は金メダル8個を獲得,2010年の第3回シンガポール大会では,金メダル6個を獲り,いずれも中国に次ぐ第2位のメダル獲得数であった。今大会は,別表の通りの金メダル2個は参加国中10位の成績となった。世界各国のジュニアの成長振りを示す結果となった。

2014年に中国南京市で,国際オリンピック委員会(IOC)が主催して「第2回ユースオリンピック」が開催される。武術太極拳は,この大会の正式種目にはなっていないが,2008年の北京オリンピックで「武術トーナメント」が行われたのと同様な形式で,ユースオリンピックへの参加が予定されている。

武術太極拳の将来のオリンピックへの道が,ジュニアの世界でも開かれている。

今大会の教訓を,ジュニア選手の一層の強化と,普及の振興につなげることが期待される。

◎日本代表選手団:

第4回世界ジュニア武術選手権大会日本代表選手名簿

  区分 性別 種目 氏名 所属
1 A組 男子 太極拳 荒谷 友碩 千葉県武術太極拳連盟
2 長 拳 中井上総介 大阪府武術太極拳連盟
3 女子 太極拳 齋藤 志保 岩手県武術太極拳連盟
4 長 拳 山本 千尋 兵庫県武術太極拳連盟
5 B組 男子 太極拳 大津 朝陽 大阪府武術太極拳連盟
6 長 拳 大津 夕陽 大阪府武術太極拳連盟
7 女子 太極拳 大田 恵美 東京都武術太極拳連盟
8 長 拳 森  未樹 東京都武術太極拳連盟
9 C組 男子 長 拳 高  龍大 大阪府武術太極拳連盟
10 長 拳 宍倉 龍空 千葉県武術太極拳連盟
11 女子 長 拳 貴田菜ノ花 兵庫県武術太極拳連盟
12 長 拳 増田  萌 大阪府武術太極拳連盟
13 監督 谷川  大 選手強化委員会委員長
14 コーチ 前東 篤子 選手強化委員会副委員長
15 コーチ 孔  祥東 同委員会強化コーチ
16 コーチ 丹井  均 同委員会強化コーチ
17 コーチ 神庭 裕里 同委員会強化コーチ

 





A組・女子槍術で金メダルを獲得した
山本千尋選手(中央)




A組・男子棍術で金メダルを獲得した
中井上総介選手(中央)




好成績をおさめ,笑顔で帰国。
成田空港に到着して

 

●日本代表選手大会成績

区分 性別 種目 氏名 所属 成績
A 男子 太極拳 荒谷 友碩 千葉県連盟 太極拳2位(銀),太極剣3位(銅)
長 拳 中井上総介 大阪府連盟 長拳6位,刀術6位,棍術1位(金)
女子 太極拳 齋藤 志保 岩手県連盟 太極拳5位,太極剣5位
長 拳 山本 千尋 兵庫県連盟 長拳2位(銀),剣術2位(銀),槍術1位(金)
B 男子 太極拳 大津 朝陽 大阪府連盟 24式太極拳5位,32式太極剣3位(銅)
長 拳 大津 夕陽 大阪府連盟 長拳17位,刀術2位(銀),棍術2位(銀)
女子 太極拳 大田 恵美 東京都連盟 24式太極拳4位,32式太極剣5位
長 拳 森  未樹 東京都連盟 長拳12位,剣術8位,槍術3位(銅)
C 男子 長 拳 高  龍大 大阪府連盟 長拳9位,槍術3位(銅)
長 拳 宍倉 龍空 千葉県連盟 長拳25位,刀術12位
女子 長 拳 貴田菜ノ花 兵庫県連盟 長拳8位,剣術4位
長 拳 増田  萌 大阪府連盟 長拳17位,槍術4位

 

●参加国・地域 メダル獲得数

メダル獲得参加国・地域の順位(套路競技)

順位 国名
1
中国
10 0 0 10
2
中国・香港
4 7 3 14
3
中国・マカオ
4 6 8 18
4
ベトナム
4 5 5 14
5
アメリカ
4 0 0 4
6
シンガポール
3 4 3 10
7
インドネシア
3 3 2 8
8
トルコ
3 2 3 8
9
マレ-シア
2 5 6 13
10
日本
2
5
4
11
11
中国・台北
2 3 3 8
12
カナダ
2 2 3 7
13
韓国
2 2 2 6
14
ロシア
2 1 2 5
15
イラン
1 2 3 6
16
ウクライナ
1 2 3 6
17
フィリピン
1 2 0 3
18
イスラエル
1 0 0 1
19
フランス
1 0 0 1
20
エジプト
0 1 1 2
21
インド
0 0 1 1
22
オーストラリア
0 0 1 1
 
52 52 53 157




A組男子・太極拳で銀メダルと太極剣で銅メダルを獲得した荒谷友碩選手




B組男子・刀術・棍術で銀メダルを獲得した大津夕陽選手




B組男子・32式太極剣で銅メダルを獲得した大津朝陽選手




B組女子・槍術で銅メダルを獲得した森未樹選手




C組男子・槍術で銅メダルを獲得した高龍大選手