「がんばろうふくしま!」福島県連盟創立20周年記念太極拳交流大会に800人

【掲載:2012年12月17日】

「がんばろう ふくしま!」をモットーに11月18日,福島市において「福島県武術太極拳連盟創立20周年記念太極拳交流大会」が開かれ,多くの拳友と支援者,家族ら多数が参加した。

まず<第1部>として午前9時40分から,福島市国体記念体育館・メインアリーナで記念式典が挙行された。オープニングとして390人による集団24式太極拳演武が県連盟加盟8団体の会員により披露され,大きな拍手がわき起こった。

「太極拳のまち」喜多方市からも祝辞

次いで福島県武術太極拳連盟の望木昌彦会長,(公社)日本武術太極拳連盟の村岡久平副会長,(財)福島県体育協会の宗形守敏副会長,NPO法人福島県レクリエーション協会の本多勉会長と「太極拳のまち」喜多方市の山口信也市長のメッセージを佐久間弘之副市長が代読して祝辞が述べられ,県連盟が大震災・原発事故の苦難を乗り越え,力強く今日に至った努力に敬意を表した。式典のなかで,個人・団体表彰が行われ,望木会長から表彰状と記念品が手渡された。式典の結びの挨拶を遠藤淑子県連盟理事長が行った。

県連盟傘下の団体と代表選手が演武

記念大会<第2部>として,県連盟傘下の7団体による「福島県連盟演武交流会」が行われた。なかでも,同交流会の最後に出場した原発事故被災で郷里を離れ,各地に居を置かざるを得なくなった浪江・飯舘地区の14人による「入門・初級太極拳」演武には会場から感動と励ましの拍手が鳴りやまなかった。

午後は,日本連盟の山口啓子,原田将司,佐藤直子,中田光紀,宮岡愛,市来崎大祐の各選手と李自力コーチによる模範演武が満場の拍手と声援のなかで行われた。

さらに,午後から福島グリーンパレスホテルで県連盟役員,会員,参加代表選手と日本連盟,神奈川,千葉,栃木の各連盟代表ら200人が参加して,「創立20周年記念交歓会」が盛大に挙行された。最後に全員で『この街で』を合唱して全日程を終了した。

(日本連盟副会長・専務理事 村岡久平)

 

『心ひとつ』福島県連盟創立20周年記念大会開催

昨夜の風雨から明けた今朝,大きく輝く虹が福島の空にかかりました。きょう11月18日「福島県武術太極拳連盟創立20周年記念大会」が福島国体記念体育館メインアリーナにて開催されました。20周年の最後に震災と原発事故に被災した福島県はこの大会にことのほか思いを寄せています。参加者600人,近隣の県連の方々や一般観客と併せて800人の大会となりました。開会宣言に続き,オープニングは県連会員390人による集団24式太極拳です。福島のうつくしい空と水をイメージした青と白のユニフォームに身を包み,福島県が生んだ作曲家・古関裕而が作曲した「栄冠は君に輝く」に乗って,全員が手をつないで入場です。手を携えることが「絆」を象徴し,心ひとつになって集団太極拳を演武しました。

第一部の記念式典は日本連盟村岡副会長をはじめとして御来賓のご祝辞をいただき,創立以来20年間会員であった33人に永年会員賞,理事長職を務めた遠藤淑子理事長に特別功労賞が授与されました。また,創立時の発起人4団体が功労賞として,また最多会員団体が団体表彰されました。

第二部は県連演武交流会として,色とりどりの演武服で118人による32式剣にはじまり,7種目の演武が行われました。最後には,今もなお自宅に戻れず避難を続けている「いいたて・なみえ」の有志の皆さんのよる演武です。「花は咲く」の音楽に乗せて入門・初級太極拳の演武で第二部を締めくくりました。

第三部は模範演武会です。日本連盟・石原理事の特段の配慮により日本を代表する素晴らしい選手老師の演武会となりました。福島県連としては,比較的数値は低いとはいえ放射能に汚染されたこの地に若い選手を呼ぶことをためらいました。しかしながら選手たちと打合せが進むにつれ,自分たちでよければと,福島で演武することを誇りに思い精一杯演武することを語ってくれました。あらためて「市来崎大祐・原田将司・中田光紀・宮岡愛・佐藤直子・山口啓子・李自力」(敬称略)各選手老師の方々には感謝申し上げます。福島県でこのようなトップクラスの演武を観覧する機会はなく,天女のごとく華麗に・あるいは猛虎のごとく激しくと,会場は一流の技にすっかり魅了されてしまいました。しばし雑多なことは忘れ,瞬きする間も惜しんで演武を堪能しました。この感動は心の中に強い思い出となって一生忘れることはありません。明日への希望が湧きました。

交歓会は村岡副会長の乾杯ではじまり,選手一人一人そしてお世話になった諸先生方の挨拶には福島を思うこころが熱く感じられました。親しく歓談し気軽に記念写真に応じる選手の方々には親しみさえ感じました。終わりに全員で「この街で」を大合唱し,会場は心一つとなりました。最後は万歳三唱に代わる「さすけねぇ三唱」で閉じました。

「福島県は頑張るぞぉ・・・さすけねぇ」「太極拳で頑張るぞぉ・・・さすけねぇ」「30年もさすけねぇ・・・さすけねぇ」

(※さすけねぇ:福島弁で大丈夫です。ご安心くださいの意)

日本全国の都道府県連盟の皆さん,ありがとうございました。おかげ様で素晴らしい大会を開催することができました。この場を借りて御礼申し上げます。

(福島県武術太極拳連盟理事長・遠藤淑子)


福島の空と水をイメージした青と白のユニフォームに身を包み24式太極拳を演武する福島県連盟会員