第1回世界格闘技大会(北京) 日本、銀メダル3の善戦

日本 銀メダル3(市来崎,宮岡,森本)の善戦

Sportaccord Combat Games 2010 Beijing
武術競技8月28~29日に挙行

【掲載:2010年09月15日】

●世界初のマーシャルアーツの祭典 2000人余が参加して盛大に挙行:
 国際スポーツ組織の「スポーツアコード」(Sportaccord,元GAISF=国際スポーツ団体総連合)が主催して,「第1回世界格闘技大会」(Sportaccord Combat Games 2010 Beijing)が、8月28日~9月4日に中国・北京市で挙行された。世界初のこの大会では,合計13種目のマーシャルアーツ・格闘技の競技が実施された(①レスリング、②ボクシング、③柔道、④テコンドー、⑤キックボクシング、⑥ムエタイ、⑦サンボ、⑧空手、⑨相撲、⑩柔術、⑪合気道、⑫剣道、⑬武術)。各競技で,世界106の国・地域からトップ選手と競技役員等の合計2000人余が参加して,盛大に挙行された。


武術競技日本代表選手団 孫建明監督と選手たち日本は套路競技に7人の選手が出場

●日本は套路競技に7人の選手が出場:
 武術は8月28~29日に「国家オリンピックセンター体育館」で、套路競技男女各4種目、計8種目に59人、散打競技男子3階級、女子2階級、計5階級に19人が出場した。
 日本は套路競技に7人の選手が出場し、孫建明氏(選手強化委員会ヘッドコーチ)が監督として日本チームを引率した。男子=①市来崎大祐(長拳)、②中田光紀(南拳・南棍)、③田村良太(太極拳・太極剣)、④原田将司(刀術・棍術)女子=⑤山口啓子(長拳)、⑥宮岡 愛(太極拳・太極剣)、⑦森本 閑(剣術・槍術)

●世界トップの大会で銀メダル3を獲得、広州アジア大会へ向けての前哨戦:
 套路競技は、8月28日午前と夜間の2単元で、男女各4種目が実施された。男女の長拳のみが単独種目で、他の3種目は、それぞれ2種目総合によるメダル争奪戦として実施された。
 まず、男子長拳で市来崎大祐選手がノーミスの演技で、マカオ選手に0.05点差の2位を獲得して好発進した。宮岡愛選手が、女子太極拳と太極剣の合計点で、インドネシア選手に0.05点差となり、金メダルを逃す2位となった。また、森本閑選手が女子剣術と槍術で健闘し、香港選手に次ぐ2位となった。
 男子太極拳・太極剣の田村良太選手と女子長拳の山口啓子選手は、共に4位で惜しくもメダルに届かなかった。男子刀術・棍術の原田将司選手と、南拳・南棍の中田光紀選手はそれぞれ1種目でのミスが響き、5位と6位に終わった。
 今大会は、アジア各国にとっては、11月に中国・広州市で開催される「第16回アジア競技大会・武術太極拳競技」の前哨戦として位置付けられるものであった。アジア大会でアジア各国が各々の得意種目を制覇(=金メダル獲得)するための試し合いとして、真剣に戦われたものであった。
 広州アジア大会では、套路競技は、①長拳、②太極拳・太極剣総合、③南拳・南棍総合(女子は南拳・南刀)、④刀術・棍術総合(女子は剣術・槍術)で、今大会とほぼ同じ種目で実施される。日本は銀メダル3個で善戦したと言える。それぞれの種目で審判団に日本選手の優れた要素をアピールすることができたが、難度動作の安定度、演技レベルでのアピール能力などで、さらに強化していかなければならないことも確認された。
 11月までの残された期間で、代表選手の直前強化を応援し、悲願の金メダルを期待したい。

(石原泰彦理事記)

 

大会の模様。北京の「国家オリンピックセンター体育館」
男子長拳2位を獲得した市来崎大祐選手(左)

●石原理事が大会総審判長を担当:
 今大会の審判員は、すべて国際武術連盟(IWUF)が指名したもので、31人の技術役員・審判員によって競技審判が行われた。日本からは、中村剛国際審判員が套路審判員として参加した。
 また、石原泰彦理事が大会総審判長を担当した。

 

女子太極拳・太極剣総合2位の宮岡愛選手
女子剣術・槍術総合2位と健闘した森本閑選手(左)

第1回世界格闘技大会 日本代表選手成績一覧

注:印はメダル獲得
性別 種 目 順位 選手名 所属団体名

太極拳
太極剣
4位 田村 良太 東京都武術太極拳連盟
長 拳 2位 市来崎大祐 大阪府武術太極拳連盟
刀 術
棍 術
5位 原田 将司 東京都武術太極拳連盟
南 拳
南 棍
6位 中田 光紀 東京都武術太極拳連盟

太極拳
太極剣
2位 宮岡  愛 神奈川県武術太極拳連盟
長 拳 4位 山口 啓子 大阪府武術太極拳連盟
剣 術
槍 術
2位 森本  閑 大阪府武術太極拳連盟