「第34回全日本武術太極拳選手権大会」(東京体育館)盛会に終わる

個人1557人・団体65チーム(273人)がエントリー 来場者3日間で2万人

「第14回世界武術選手権大会」(9月/ロシア・カザン市)日本代表選手8人が決定!


今年4月に創立30周年を迎えた公益社団法人日本武術太極拳連盟が主催する「第34回全日本武術太極拳選手権大会」が,7月7日(金)・8日(土)・9日(日)の3日間,東京・渋谷区千駄ヶ谷の「東京体育館」において開催された。

全国から選抜された選手を含む1800人あまりが,3日間,熱暑に包まれた体育館に集結し,さらに熱い戦いを繰り広げた。

主管はNPO法人東京都武術太極拳連盟(貫洞哲夫会長)。後援はスポーツ庁,公益財団法人日本オリンピック委員会,公益財団法人日本体育協会,東京都,朝日新聞社,日刊スポーツ新聞社,公益財団法人笹川スポーツ財団,NPO法人日本ワールドゲームズ協会,公益社団法人日本中国友好協会,アジア武術連盟。協賛は,太極パートナーズ各社(アシックス,ダイワコーポレーション,フォトクリエイト,島村運輸倉庫,太極サポーター)だった。

本大会は,毎年国際大会の日本代表選手最終選考会を兼ねており,今年度は今年9月下旬から開催される「第14回世界武術選手権大会」(ロシア・カザン市)へ派遣する日本代表選手について,「自選難度競技種目」から8人の選手を選考した(詳細は後述)。



写真は世界選手権大会の日本代表選手
(OLI HAU OLI Photo Office Co., Ltd. の提供,選手は左から下記表の名簿順)


夏の陽射しで朝を迎えた会場の東京体育館


ジュニアの技術も年々進歩している

国体公開競技種目の長拳国際規定第一套路(長拳B套路)が10年ぶりに導入された

大会初日は,7月7日(金)午前9時30分から開会式が行われ,村岡久平日本連盟会長が開会を宣言し,続いて西村誠志総審判長による競技ルールの説明がなされ開会式が終了した。

会場は,例年どおり東京体育館メインアリーナに特設6コートを敷設。第1コートは難度競技種目用に特別なクッションを下に敷き,跳躍や衝撃でケガのないように配慮された。競技開始前に,大会審判団の審判役員および各コートに整列した審判員が紹介され,その後,入場行進曲に観客席からの拍手が加わる中,各コート最初の種目の出場選手が入場し,一気に会場は大会ムードに包まれた。

競技は3日間にわたり,6競技部門38種目で行われた。昨年の37種目から1種目増えたのは「長拳B套路」(長拳国際規定第一套路)。これは,国体公開競技種目の成年男子の部(18~29歳)に同套路が採用されたことで,18歳未満対象のジュニア大会だけでなく本大会でも10年ぶりに採用した。昨年大会でシードになった選手64人のほか,全国から予選を勝ち進むなどして選ばれた個人競技部門の選手は男女合わせて1557人,団体競技部門の選手273人(65チーム)が腕を競い合った。今大会の出場選手中,最年少は6歳,最高齢は83歳だった。



猛暑の中,大勢の観客を集めた


対練は大会の人気種目のひとつ


集団演武は華やかさで会場を魅了する

開会の辞を述べる村岡久平日本連盟会長

選手,審判員,スタッフ,協賛社,マスコミ各社が一体となり大会を構成している

大会運営は,例年どおりNPO法人東京都武術太極拳連盟が所属団体各位の協力を得て担当し,役員・スタッフら延べ400人近くが会場設営・受付・進行・警備・表彰などに携わった。

大会関連グッズ販売ブースは,昨年は,日本連盟教材テキスト・DVD,武術器械,大会記念Tシャツ,協賛社のユニフォームやシューズおよび「太極拳のまち」福島県喜多方市のブースだった。今年は,喜多方市のブースの代わりに日本連盟創立30周年を記念した祝賀箸も追加された。

大会を取り巻くすべての活動は,すべてのスタッフや関係者の協力で成り立っている。皆一丸となって回数を重ね,今年で第34回を迎えた。

マスコミの取材では,例年のNHK BS1のほかにテレビ朝日の番組「グッド!モーニング」の取材班が急きょ収録を行った。

最終日の競技終了後,表彰台周辺で,当日競技の後半一部種目と自選難度競技の代表表彰が行われ,岡﨑温日本連盟副会長らから賞状とメダルが授与された。引き続き閉会式に移り,村岡久平日本連盟会長が選手をはじめ,審判員,スタッフらを労う言葉を最後に閉会の辞を述べ,大会の幕を下ろした。


表彰式の様子を館内の大型映像で映し出す

来年の本大会は,東京・調布市の「武蔵野の森総合スポーツプラザ」が会場候補に

来年2018年度の「第35回全日本武術太極拳選手権大会」会場は,東京体育館が改修工事をするために場所を移して,7月(日程未定)に東京・調布市の「武蔵野の森総合スポーツプラザ」で実施できるように手続きを進めている。

競技写真を協賛社のフォトクリエイトが販売中

太極パートナーとして協賛している株式会社フォトクリエイトのカメラマンが撮影した選手たちの表演写真が,8月21日(月)まで同社の専用WEBサイトで販売されている。日本連盟ホームページのトップページにある「太極パートナーズ」バナーの中の「ALLSPORTS community」をクリックすると,販売ページが表示される。

「第14回世界武術選手権大会」の日本代表選手8人,役員4人,帯同審判員1人を決定

閉会式直後に,東京体育館内の会議室で,自選難度競技に出場した32人の選手の中から,今年9月29日~10月3日にロシア・カザン市で開催される「第14回世界武術選手権大会」の日本代表選手選考が行われた。日本連盟専門委員会の「審判委員会」「選手強化委員会」および専務理事・常務理事など計13人により,男女合わせて8人の代表選手選考について議論された。

今大会の成績および過去1年間の実績等々を含め,慎重かつ入念な意見交換があり,太極拳,長拳,南拳の種目から男子4人,女子4人の計8人の代表選手が最終的に選出された。(次の日本代表選手団名簿を参照)

「第14回世界武術選手権大会」日本代表選手団名簿

種目 性別 氏 名 所 属 団 体
1 長拳 別當  響 大阪府武術太極拳連盟
2 大川 智矢 東京都武術太極拳連盟
3 山口 啓子 東京都武術太極拳連盟
4 池内 理紗 埼玉県武術太極拳連盟
5 南拳 毛利 亮太 大阪府武術太極拳連盟
6 阪 みさき 大阪府武術太極拳連盟
7 太極拳 荒谷 友碩 千葉県武術太極拳連盟
8 齋藤 志保 岩手県武術太極拳連盟
9 監督 孫  建明 選手強化委員会ヘッドコーチ
10 コーチ 前東 篤子 同  副委員長
11 孔  祥東 同  強化コーチ
12 陳   静 同  強化コーチ
13 帯同審判員 竹中 保仁 審判委員会委員・国際審判員

「日本連盟創立30周年記念式典」を大会最終日の昼休みに実施

大会最終日となる9日(日)の午後0時15分から,東京体育館メインアリーナにおいて,「公益社団法人日本武術太極拳連盟創立30周年記念式典」が催された。冒頭に村岡久平日本連盟会長が挨拶を述べ,出席された日本連盟加盟49団体の代表へ,長年ともに歩み支持をいただいたことへの感謝の気持ちとして,記念の楯が贈られた。プレゼンテーターは,村岡会長を始め,岡﨑温副会長,川﨑雅雄専務理事,高山守夫常務理事,辻本三郎丸常務理事の5人が務めた。

さらに,今年同じく30周年を迎えた香港武術聯会会長であり,アジア武術連盟の会長でもある霍震寰(イアン・フォック)氏を大会に招いており,村岡会長が同氏へ,感謝の言葉と,同じく記念の楯を贈った。


日本連盟創立30周年記念式典が催された

テレビ局2社から大会映像が全国放映された

「第34回全日本武術太極拳選手権大会」3日目の模様が7月16日(日)15:00~15:50,NHKテレビBS1で全国放映された。解説は日本連盟審判委員会委員長であり国際審判A級審判員である及川佳織氏。自選難度競技の徒手種目である「南拳」「長拳」「太極拳」に出場した日本連盟強化指定選手の演武を中心に大会映像が流された。

また,テレビ朝日の朝の番組「グッド!モーニング」の7月10日放送の<情熱まとめグッド!スポーツ>というコーナーで,強化指定選手で自選難度太極拳と太極剣で1位になった齋藤志保選手および家族が紹介された。


加盟団体へ贈られた感謝状の楯

アジア連盟・香港武術聯会のフォック会長へ
感謝の楯を贈呈