「第9回世界カンフー選手権大会」結果報告

~ 以武會友― 多様性の大会~

オープニングセレモニーも盛大に実施された

オープニングセレモニーも盛大に実施された

現地に到着した日本隊の記念写真

現地に到着した日本隊の記念写真

「第9回世界カンフー選手権大会」は、8月23日(水)~28日(月)の間、中国・四川省峨眉山において、53ヵ国・地域に中国国内各省、自治区からの参加者を合わせ7,000人以上の参加者を得て盛大に開催されました。

日本からは選手12人、オブザーバー3人、谷川大団長・監督、劉一丁コーチの17人が参加しました。日本チームは1等賞2つ、2等賞5つ、3等賞4つを獲得しました。参加種目も様々で、普段交流する機会も少ない中でも、互いに応援し合いチームとしてもよくまとまっていました。参加された皆さんと応援していただいた各方面に改めて感謝申し上げたい。

大会レポート

国際武術連盟(IWUF)主催による「第9回世界カンフー選手権大会」が、8月23日(水)~28日(月)の日程で、中国・四川省の峨眉山で開催された。峨眉山での開催は2017年、2019年に引き続きで三回目。途中コロナ禍による延期もあったが、今回無事開催された。国際組2コート、中国国内組8コートが同時に展開される大規模なものである。

会場のあちこちで「好久不見!」と久々に会う友人知人とあいさつを交わす姿が見られる。まさに皆待ちに待った大会であった。開催にあたっては国際武連、中国武術協会、地元四川省武術協会の皆さんが入念な準備を進められ、運営、対応にも細かな配慮がうかがえた。各国からの参加者たちも大会を楽しむとともに試合にも集中することができた。

国際大会は数多く行われているが、世界カンフー選手権の特色は多様性の大会というところであろう。

本来、武術太極拳の網羅する範囲は実に広く多種多様で、同じ流派であっても伝承によって個性が分かれていくため、明確に分類することも難しい。多くの大会では実施される套路が指定されているが、今大会では実に多様な参加方法が用意されている。まず伝統の拳式、器械ごとに年齢別に設定。その上で参加者数に応じて組み分けを行って競技が実施され、参加する者も観客として楽しめる大会であった。その上で出場人数に応じて入賞者が決定される。参加者は自己の修練してきたものを以て参加することとなる。

同時に各種規定套路も種目とされており、百花采芳多種多様な武術種目を網羅するような形となっている。選手の出場種目も様々で、永年練習を重ねた伝統種目そのままで出場する方、国際ジュニア大会の種目で出場し、元国際大会の代表選手が引率してくるチームがあれば、国際審判が伝統選手としてチームを率いて出場する国もありという具合である。また服装にもそれぞれの特色が現れ、その流派独特の服装で登場するという具合で、参加者は自己表現と共に楽しく参加していた。

日本チームの活躍

日本からは監督コーチと選手、大会参観のオブザーバー計17人が参加した。参加にあたり、日本連盟は本大会の主旨を吟味し、日本連盟加盟団体だけでなく、国内で武術太極拳を愛好する多くの方に門戸を開放するという基本方針を決定。事前の案内から十分な準備期間を設けて大会に臨んだ。この点でも武術太極拳の多様性を重視し、今後の活動の発展と展開の可能性がうかがえるものであるといえよう。

参加者は全日本大会の上位入賞者、永年伝統の武術を修練続けている方など多種多様で、この大会にふさわしいメンバーであったといえよう。そして、以前の大会で交友を結び、久しぶりに顔を合わせるメンバーが東西それぞれから四川省成都市に集合し、翌日、現地峨眉山へ移動した。3日間の大会スケジュールの中で多くの競技を実施するため、参加者の中には午前、午後と連続して試合があるという場合もあったが、それぞれ入念な準備のもと、大変良い状態で実力を発揮し、参加21種目中、金2・銀6・銅4を獲得した。

大会全体を振り返って

大会期間中は陳式太極拳、総合太極拳、八極拳、そして現地の名拳峨眉拳について名家による講習が行われ、皆思い思いの講習に参加し、貴重な経験をすることができた。また、試験的に短兵・長兵の実際に打ち合う形式での試合や、動作をIT分析して評価するというブースが設けられ、参加者の興味を誘っていた。大会に参加するとともに、このような試みを楽しみにされている方も多く、大会のもう一つの顔ともなっている。

競技規則は国際伝統大会のルールにのっとり、伝統大会としての在り方を考慮したものとなっている。もちろん大会である以上、競技時間などの規定はあるものの、広く門戸を開いたものとなっており、武術の持つ多様性が重視されている。前回までの大会では審判はほぼ中国武術協会によるものであったが、今回は各国からの審判もメンバー入りし、より全面的な展開となった。伝統大会も試行錯誤の上、一歩ずつ進んでいっており、弛まぬ努力の上に伝統が発展して行く様子を目の当たりにした。もちろん多種多様な種目を競技として実施することは大変難しいが、まずは世界の愛好者が一堂に会し、交流を深めていくことにこそ意義があり、そこからさらなる活動が展開されていくことに期待したい。

今大会の開催にあたりお世話になったすべての皆さまに改めて感謝いたします。

伝統武術選手権は今後も定期的に開催される予定。次回は2025年に今回と同じく四川省峨眉山で開催予定である。また、2018年に開催されたアジア伝統武術選手権大会も、来年の開催に向けて、こちらはアジア武術聯盟によって準備が進められている。この楽しい大会に皆さんもぜひご参加ください。

(伝統武術委員会委員長・谷川大)

第9回世界カンフー選手権大会 選手団成績・名簿

役 職 氏 名 都道府県 団体名 徒手種目 成績 器械種目 成績
選 手 小島隆平 東京都 東京中国武術協会 戳脚 3等 陳式太極剣 13位
上田美紀子 武当山功夫学院日本校 武当太極拳18式 9位 武当太極剣36式 10位
遠藤珠海 神奈川県 日本太極拳友会 孫式太極拳 1等    
大久保朋美 規定呉式 2等    
大高一彦 横浜市太極拳協会 八卦掌 2等 八卦大刀 2等
福西 忠 伝統少林拳 3等 伝統少林陰手棍 3等
大家秀太郎 石川県 九星会 伝統蟷螂拳 14位    
林 京子 大阪府 劉武術協会 42式太極拳 1等 42式太極剣 3等
越智健太 愛媛県 愛媛少林武術団 小洪拳 2等 少林扇子功 2等
柴田椛音 少林功夫拳 19位 佛塵 12位
柴田琳音 少林功夫拳 16位 双匕首 12位
吉田雄飛 少林蠍子拳 12位 刀加鞭 11位
オブザーバー 柴田弘子        
吉田雄大        
吉田美樹        
団長・監督 谷川 大 伝統武術委員会 委員長        
コーチ 劉 一丁 国際交流委員会 副委員長        
大会の合間にガラショーや講習なども行われた

大会の合間にガラショーや講習なども行われた

メダルを手に笑顔を見せる参加選手たち

メダルを手に笑顔を見せる参加選手たち

会場には各国から多彩な参加者が

会場には各国から多彩な参加者が

素晴らしい活躍をみせた女性陣

素晴らしい活躍をみせた女性陣

左上から小島隆平、上田美紀子、遠藤珠海、大久保朋美、大高一彦、福西忠、大家秀太郎、林京子、越智健太、柴田椛音、柴田琳音、吉田雄飛の各選手

左上から小島隆平、上田美紀子、遠藤珠海、大久保朋美、大高一彦、福西忠、大家秀太郎、林京子、越智健太、柴田椛音、柴田琳音、吉田雄飛の各選手