訃報 平山郁夫日本連盟顧問、長谷川凱久日本連盟常務理事の両氏が逝去

訃報 平山郁夫日本連盟顧問が逝去

芸術を通して平和・友好を希求した生涯

【掲載:2009年12月15日】

 日本連盟顧問で日本画家の平山郁夫氏が12月2日午後12時38分、東京都内の病院で脳梗塞のため逝去された。79歳。
 平山氏は広島県生口島に生まれ、広島市内の中学に在学中、勤労動員先で原爆に遭った。
 後遺症のために苦しんだ時期もあったため健康に気を配りながら画業に打ち込み、「シルクロード」を生涯にわたって描き続けた。そのなかで「人類の共通の遺産である文化財をまもることが平和につながる」との信念を深め、「国際文化財赤十字運動」を提唱し、文化財の保護・調査・集収に尽力した。
 母校、東京芸術大学の学長を2度務め、1992年から2008年までの8期16年間、(社)日中友好協会の会長を、08年からは名誉会長を務めるなど画壇内外の要職を歴任した。98年に文化勲章受章。
 シルクロードシリーズをはじめ平和への祈りを描いた一連の作品は、内外から幅広い人気を博した。2000年末には、奈良・薬師寺玄奘三蔵院に「大唐西域壁画」を描きあげた。昨年4月、日中平和友好条約締結30周年を記念して北京で開かれた個展に合わせて訪中したのが最後の中国訪問となった。平和・友好の大切さを絵を通して伝え続けた生涯であり、中国の文化、武術太極拳にも深い理解を示した。


訃報 長谷川凱久日本連盟常務理事が逝去

連盟発足に多大な貢献をされる

 日本連盟常務理事の長谷川凱久氏が11月13日午前9時10分、すい臓癌のため東京都内の病院で逝去された。77歳。
 長谷川氏は1987年の日本連盟設立時から草創期メンバーとして、設立準備にたずさわり、設立以降は日本連盟常務理事として、組織強化と武術太極拳の普及振興に尽力し、多大な貢献をされた。
 長谷川氏は㈱光文書院の代表取締役社長を長く務め、その後、同社の取締役会長として社業にたずさわってきた。
 光文書院ビルは東京都千代田区の五番町に位置しており、日本連盟設立当初、長谷川氏の好意で安い賃貸料で同ビル内に日本連盟の事務所を置かせてもらった。同ビルの建てかえ時期に日本連盟は現在地に転居している。
 草創期の連盟が発展途上の時期、長谷川常務理事の示されたご配慮とご好意に深く感謝するしだいである。
 なお、密葬は11月17日に東京都杉並区の長明寺で行われた。また、社葬が12月4日に東京のホテルニューオータニで挙行された。
 日本連盟から村岡久平副会長、岡﨑温常務理事、石原泰彦、大塚忠彦、川島通正各理事、佐藤衛監事のほか東京都連盟をはじめ近県の連盟役員など多数の関係者が弔問に訪れた。
 また日本連盟はじめ多くの都道府県連盟から供花と弔電が寄せられた。
 長谷川氏は日本連盟常務理事のほか、NPO法人東京都武術太極拳連盟副理事長、都連盟加入団体のNPO法人東京太極拳協会会長だった。