「第8回世界ジュニア武術選手権大会(インドネシア)」結果報告

2022年12月6~10日、インドネシア・タンゲランにて39ヵ国・地域から800人近くが参加

金メダル4個、銀メダル4個、銅メダル1個、全員入賞の活躍!

国際武術連盟(IWUF)主催の「第8回世界ジュニア武術選手権大会」が、12月3日~11日(競技日程:6日~10日)にインドネシアのタンゲランで開催され、会場のインドネシア・コンベンション・エキシビション(ICE BSD City)には、世界39ヵ国・地域から800人近くの選手・役員が集いました。

日本連盟では、ジュニア日本代表選手8人と監督・コーチ4人、帯同審判員1人の計13人を派遣しました。

コロナ禍により4年ぶりの世界大会となりましたが、現地まで応援に駆けつけられたご家族の皆さまやライブ放送・SNSなどによる日本からの応援がジュニア選手たちの力となり、大会に挑みました。

日本ジュニア武術隊は、コロナ禍のためC組の派遣を見合わせた中でも、金メダル4個、銀メダル4個、銅メダル1個、全体でメダル獲得数第6位(套路種目52種目中、23種目に出場)、全員入賞という大健闘の結果となりました。

本事業は、(公財)日本オリンピック委員会(JOC)の選手強化NF事業助成を受けて実施されました。

詳細な成績の一覧は下記に掲載します。

3年ぶりの国際大会で活躍をみせた日本代表選手団一行

3年ぶりの国際大会で活躍をみせた日本代表選手団一行

会場は華やかにライティングされた

会場は華やかにライティングされた

左から、中田琉月、宮森創大、貴田胡花、小櫻果、エスコバル登亜、川村心輝、石井思初、白川奏那の各選手

左から、中田琉月、宮森創大、貴田胡花、小櫻果、エスコバル登亜、川村心輝、石井思初、白川奏那の各選手

メダルを手に笑顔を見せる選手たち

メダルを手に笑顔を見せる選手たち

 

監督・コーチレポート

目的

国際武術連盟(IWUF)主催による「第8回世界ジュニア武術選手権大会」がインドネシア・タンゲランのコンベンション・エキシビジョンで12月6日~10日の日程で開催された。

この世界ジュニア武術選手権大会は、前回のブラジル大会から4年ぶりの開催となった。日本代表選手団は監督1人、コーチ3人、国際審判員1人、選手8人の合計13人が参加した。

国際大会に参加することで他国の選手の多様性を知り競うことで経験を積み、精神的な成長が見込まれる。また自選難度競技に向かうためのジュニア選手育成に大きな貢献があると考えている。今大会に参加した最年長の2人は、メダル獲得や入賞の成績を残して、年末に行われるシニア強化合宿に推薦された。実際にシニア競技に一歩を踏み出し、今後の活躍が期待されている。

成果

直前合宿で練習面、生活面、インドネシアについての知識など、多くの事柄において準備できたため、12月のインドネシアの熱い気候にもすぐに適応でき、滞在中に体調を崩す選手が一人も出なかった。

またコロナ禍での開催で、他国の選手がマスクを着けずに行動する中、日本チームは感染予防対策を徹底できたことも体調管理がしっかりできた要因であった。

武術は各国でプロ化が進み、多くの国でコロナ禍でも練習環境が保持され訓練を継続できていた状況と比べると、日本はアマチュアでコロナ禍での練習が満足に行うことができなかった。日本国内での大会も中止になる中、それぞれが高い目標をもって諦めずに努力した選手たちが日本代表選手として選抜され、その結果今大会では金メダル4個、銀メダル4個、銅メダル1個、そして全員入賞を果たすという好成績を残すことができた。そのことは特筆すべき大きな成果だったと思う。コロナ禍で3年間も国際大会が中止になり、久しぶりの大会ではあったが、日本のジュニア選手のレベルは高く、世界で十分通用することが証明された。日本チームの演技は規格がしっかりできていて、減点も少なく、正確性の高い日本らしさを発揮することができ、他国から評価された結果である。

課題

他国のジュニア選手は国をあげてハイレベルなトレーニングを行っているため、同じ年齢でも日本選手より体格や力、スピード、爆発力、体力、筋力など、あらゆる面で身体能力がすぐれていた。その点が日本のジュニア選手の一番の課題である。

年々武術界でも新しいトレーニング方法が取り入れられている。日本でも最新の情報を共有し、日本全体として取り組んでいくことが必要である。

またコロナ禍で練習量が減ったことで怪我をする選手が増えてきていることも大きな問題となっている。怪我をしない体つくりを早急に進める必要がある。

参加国・地域別 獲得メダル数(套路種目)

順位国・地域名合計
1 インドネシア 10 2 3 15
2中国 7 1 8
3 イラン 6 2 4 12
4マレーシア 5 9 4 18
5中国香港 5 8 6 19
6日本 4 4 1 9
7シンガポール 3 7 4 14
8アメリカ 3 4 2 9
9韓国 2 6 6 14
10ベトナム 2 4 3 9
11中国マカオ 2 2 4 8
12カナダ 1 1 2 4
13フィリピン 1  2 3
14フランス 1   1
15エジプト 1 2 3
16ウズベキスタン 1 1 2
17 ブルネイ 1 1
合計 52 51 46 149

日本代表選手成績一覧

No 2022年齢区分 性 別種 目氏  名 所属出場種目と成績
1A組長拳中田 琉月大阪府長拳9位、刀術7位、棍術4位
2南拳宮森 創大北海道南拳2位、南刀7位、南棍7位
3長拳貴田 胡花兵庫県長拳10位、剣術5位、槍術2位
4長拳小櫻  果広島県長拳7位、刀術6位、棍術8位
5B組長拳エスコバル登亜東京都長拳1位、刀術5位、棍術1位
6太極拳川村 心輝岩手県太極拳1位、太極剣2位
7長拳石井 思初東京都長拳11位、剣術1位、槍術2位
8長拳白川 奏那兵庫県長拳4位、刀術5位、棍術3位
9役員・コーチ孔  祥東選手強化委員会 委員長/監督
10前東 篤子同 副委員長
11神庭 裕里同 ジュニアヘッドコーチ
12丹井  均同 強化コーチ
13 帯同審判王   輝国際審判員
大会には王輝国際審判員が帯同した

大会には王輝国際審判員が帯同した